高速移動する銀河に生じる「剥ぎ取り」現象

ハッブル宇宙望遠鏡は、ガスが剥ぎ取られている現象を持つ高速に移動する銀河の様子を捉えています。

この「NGC 4522」は、乙女座にある6000万光年離れた棒渦巻銀河。乙女座銀河団に属しています。科学者によると、この銀河は時速1000万kmで移動していると計算されており、その高速な動きによる強い風が銀河の形に大きな影響を与えています。
これは「ラム圧(ram pressure)」と呼ばれる銀河の環境効果で、銀河円盤のガスが剥ぎ取られている現象によるもの。

また画像左右には、星形成領域から生まれた若い星団が見られ、青白い光が銀河を包み込む様な姿も確認できます。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の可視光・赤外線フィルターを用いて撮影し、2009年9月に公開されました。

Image Credit:NASA & ESA
■Hubble views NGC 4522
https://www.spacetelescope.org/images/heic0911b/

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