ダカールラリー:競技9日目、アル-アティヤがリード拡大。トヨタ、初のダカール制覇に王手

 第41回大会となる2019年のダカールラリーは1月16日、ピスコを周回する409km(ステージ距離313km/トラック部門は407km、ステージ距離311km)の競技9日目が行われ、総合首位を走るナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)がステージ優勝を飾り、トヨタ初のダカール制覇に王手をかけた。

 史上初のペルー単独開催として争われているダカールラリーの第41回大会。全10ステージで争われる戦いも、16日を含めて残り2日だ。

 イカ砂漠を舞台に争われた16日のステージでは、フィニッシュ直前のウェイポイント5を通過した時点でセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR)がトップタイム。アル-アティヤは約9分遅れの暫定3番手につけていた。

 このままトップタイムでフィニッシュすると思われたローブだが、ウェイポイント5を通過した後にトランスミッションが破損するトラブルが発生。コース上での修復を余儀なくされ1時間以上のタイムをロスしてしまう。

 またローブに続く暫定2番手でウェイポイント5を通過していたシリル・デプレ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)もトラブルに見舞われて失速。盤石な走りで駆け抜けたアル-アティヤが今大会3度目のステージ優勝を手にした。

 この勝利でアル-アティヤは総合でのリードを51分27秒まで拡大。自身にとっては2015年以来、そしてトヨタにとっては初となる総合優勝を大きく手繰り寄せた。

コース上でのマシン修復を余儀なくされたセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR)
コース上でのマシン修復を余儀なくされたセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR)
ステージ終盤でトラブルに見舞われたシリル・デプレ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)
総合2番手につけるホアン・ナニ・ロマ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)

 総合4番手で競技9日目に臨んだ“ミスター・ダカール”ことステファン・ペテランセル(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)はスタートから26km付近でコドライバーのデビッド・カステラが背中の痛みを訴えて走行を中止することに。

 カステラは砂丘越えの着地で負傷したとみられ、検査のために病院へ運ばれることとなり、ペテランセルはこの10年で初となる大会リタイアを余儀なくされた。

 自身はケガをしておらず、マシンをサービスパークに持ち帰ったペテランセルは「砂丘を越えたとき、マシンのフロントから激しく着地した」と状況を説明する。

「デビッドにとっては、あっという間の出来事だっただろう。彼はちょうど(ステージの道のりが書かれている)ロードブックを見ていて、着地の衝撃へ備えができていなかったんだ」

 検査の結果、カステラは骨折などはしておらず、打撲していたことが分かったという。

 四輪市販車部門を争うトヨタ車体のチーム・ランドクルーザー・トヨタオートボデーはクリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール-ギャルサン組350号車が総合26番手/クラス首位、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組349号車が総合36番手/クラス2番手につけ、部門連覇に王手をかけた。

 トラック部門を戦う日野チーム・スガワラは菅原照仁/羽村勝美組510号車がステージ10位。部門総合9番手となっている。

 二輪部門はマイケル・メッジ(シェルコTVS 450RTM)がステージトップタイムを記録。部門総合ではトビー・プライス(KTM450)が首位を守り、1分2秒差の2番手にパブロ・キンタニア(ハスクバーナFR450ラリー)、6分35秒差の3番手にマティアス・ウォークナー(KTM450)が続いている。

 2019年のダカールラリー最終日となる現地17日はピスコからペルーの首都、リマへ向かう構成。走行距離は359km、ステージ距離は112kmで争われる。

クリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール-ギャルサン組350号車
三浦昂/ローラン・リシトロイシター組349号車
二輪部門の総合首位を走るトビー・プライス(KTM450)

© 株式会社三栄