【火はアウトドアの超基本!】登山におすすめしたい着火器具カタログ ストーブに自動点火装置が付いているので、着火器具を持たない人が増えています。でも自動点火装置が不意に点かなくなり、しかもいつも持っていたBICのライターを持っていなくて、寒い山で一層寒く感じた経験を持つ筆者は、自然の中に入る際にはどんな時でも、着火器具を持つようになりました。もしもの際に火があると助かることってたくさんありますから!今回はライター・ファイヤースターター・トーチやマッチなど定番かつおすすめの着火器具を紹介します。

自然の中に入るのに、火を持っていかないなんて!

アウトドアの基本は火の携帯です

登山、ハイキング、トレッキング、トレイルランニング等々、山を移動するアウトドア・アクティビティ。このアウトドア・アクティビティの装備の基本は、ズバリ『』です。火そのものを持ち歩くことは困難なので、ライター等の着火器具を携帯することが基本です。

数少ない「もしも」に備えるのがアウトドア!

火の携帯が基本なのは、なぜか? もし、寒い季節のハイク中に足を滑らせて沢に落ちたらどうしますか? もし、道に迷って一晩を山の中で過ごす必要になったとき寒かったら? そんな時は火を熾して暖まるのが最善の策です。もちろんストーブでも代用できますが、燃料が尽きたら使えません。必然、たき火にあたることになります。

そんなに「もしも」の機会に遭遇することは多くないかもしれません。しかし「絶対に自分には起こらない」と言い切れる人は、初級者や上級者といったレベルに関係なくいません。数少ない「もしも」に備えておくのが、アウトドアでは必要なのです。

ガスストーブの点火装置は高所、低温で機能しないこともある

また筆者は過去に、低温や高所が原因でガスストーブが点かなくなったことが何度かあります。圧電式の点火装置は特に、2,500m以上の高所で点火できなくなることがあるといわれていますが、筆者が点かなくなった際の標高は2,000mでした。
その時はフリント式のガスライター(冒頭写真のBICのライター)も火が点きませんでしたが、フリントから散った火花で何とかストーブを点火させることができました。

装備の忘れ、不具合の多くは他の道具での代用や簡単なアイデアで乗り切れますが、火だけは着火器具がないとどうにもなりません
という訳で、今回は忘れずに持って行きたい着火器具の定番から最新モデルを紹介します。いずれかを是非装備に加えてください。きっと役立つ時がくるはずです。

①バーゴ チタニウムフリントライター

「フリント」とは、着火する際に擦って火花を散らす石のことです。昔ながらのライターに備わっているものと同様で、指で金属のヤスリ部分を回転、ヤスリと石が擦れて「ジッ」と鳴り、火花を発生させます。
このアイテムのハンドル部分はチタン製なので重量9.2gと非常に軽く、しかもコンパクトです。アルコールストーブや固形燃料に着火させることもでき、シンプルな構造なので壊れにくく、電子式ライターが苦手な高所でも火花は散ります。初めての着火器具としてまず携帯してみるならこのフリントライターがおすすめです!

気温3度、風速8mでも5回目に着火!

写真は暖かい日のように見えますが、気温3度、風速8mの風が断続的に吹いているかなり寒い日でした。このフリントライターをはじめて使うので慣れていなかったこともありますが、ガスストーブに5擦り目で着火成功。慣れればもっと少ない回数できると思いますが、小さくとも問題なく使えることがわかりました。そして発生する火花は想像よりも大きなものでした!

②MSR ピエゾ イグナイタ

「イグナイタ」は点火装置のことで、このアイテムもガスストーブに使われている点火装置同様のものです。そのため、低温下や高所では点火ができなくなることもあるかもしれません。しかしボタンを押すだけで着火でき、ガスライターに比べると風にも強いです。

コンパクトなのでクッカーにスタッキングしておくとよい

低温下では点火しにくいかと思いましたが、気温3度ではなんの問題もなく着火できました。風が強くても問題なく、ボタン3押し目で着火です。ガスストーブだけでなく、アルコールストーブにも着火できるので、着火に燃料が必要なガスライターよりも、これはおすすめです!

③ウィンドミル クエスト

ライターの専門メーカーとして知られる同社。これは耐風、耐衝撃性に加え生活防水機能も持ったガスライターで、アウトドアにぴったりです。専用のガスボンベでガスの再充填も可能なので、繰り返し使えるのもうれしいポイント。ただし圧電式の点火のため高所ではガスライター同様に点火しにくくなる可能性があります。

ストーブに着火するには慣れが必要

強風に吹かれても火が消えることなく、ライターの点火も大きめなボタンを押すだけでラクです。ただストーブに着火する際には、ライターのフタ部分がゴトクやバーナーヘッドに当たらないように向きを考える必要がありました。その点だけ注意が必要ですが、最初からストラップが装備され、本体はラバーで守られ持ちやすい、アウトドア仕様のライターです。

④SOL マグストライカー

ファイヤースターターまたはメタルマッチと呼ばれるアイテムです。フェロセリウム製のロッドと呼ばれる金属の棒の部分をスクレーパーと呼ぶ器具で引っ掻くことで火花を散らし、ストーブなどを着火できます。SOLのこのファイヤースターターは、しっかりと持てる少し大きめサイズ。他ブランドにはもっとコンパクトなものもありますが、初心者にも火花を出しやすいと思い、これを選びました。

慣れが必要ですが、どんな環境でも着火できます

ライターやイグナイター等と違って、低温でも高所で火花を散らし、着火できるのがファイヤースターターのよいところ。しかしロッドをスクレーパーで引っ掻き火花を散らすには慣れが必要です。とはいえガスストーブを着火させるのには4~5回の引っ掻きで済みました。使ったことがないと少し不安ですが、使ってみれば、このシンプルさは故障知らずで安心感があります。ちなみにロッドのシルバー部分はマグネシウム製。スクレーパーで掻いて粉状にして着火材として使います。

⑤UCO サバイバルマッチ

12秒ほど燃える防風、耐水のマッチキットです。ケースも防水仕様でコンパクトなのでサブの着火器具として重宝します。防風といっても、マッチなんてたかが知れていると思うかもしれませんが、これは風速8mでも、なんら問題なく燃えました。ガスストーブの火が点かないとき、このマッチなら確実に点火できます。

しかも耐水テストで、火を点けたマッチをコップの水に浸けて消化しても、水から取り出せば再び火が点きます。マッチ上部の赤い火薬部分がまだ燃え残っている時だけ再点火するのですが、消えたものが自然に点くって驚きです。もちろん風に吹かれても、問題ありません。ただし消したつもりが、消えてなかったということにもなるので、取り扱いには注意してください!

⑥ソト マイクロトーチACTIVE

バーナーやストーブで評判の『ソト』から今年2月21日新発売予定の超小型の耐風バーナーです。手の平サイズで扱いやすく、燃料がなくなったらカセットガスで充填し、繰り返し使えるエコ仕様。ライター同様に高所や低温下では火が点きにくくなる可能性はありますが、低山であれば使い勝手のよいコンパクトな着火器具です。

火口がL字型にヨコ向きになっているので、ストーブに点火する際に火を向けやすいです。また火口の先はフタをすることでき、ゴミや水分の侵入を防いでくれます。重さは50g。予定販売価格は\1,650。期待大のアイテムです。

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