水温ってめっちゃ大事
変温動物である魚は、人間よりも遥かに温度変化に敏感です。たった1℃の水温差でも、彼らの活性を大きく左右します。
同じポイントの同じ時間帯でも、水温によっては釣れたり釣れなかったりといった違いが生じるのです。
狙う魚の適水温とポイントの水温を知れば、彼らが今どこに居そうか、どんな状態なのかを予測する事ができるはずです。
水温を知っているか否かで、ポイントの選定やルアーのプレゼンテーションの仕方も当然、変わってくるでしょう。今回は、代表的な釣り対象魚の適水温をご紹介!
※魚の適水温に関しては諸説あり、また正確に解明されていない魚もおります。あくまでも目安としてお役立てください。
シーバスの適水温
適水温:14~25℃
一般的に、10~25℃の間で活性すると言われますが、15℃以下では食い渋るという説もあります。水温が上昇している間は特に活性が高まり、狙い目です。
しかし、水温が僅かでも低下した場合は活性も下がります。例えば18℃程度の暖かい水温で釣れそうに思えても、20℃から下がった状態の場合、予想ほどの活性は得られません。
チヌの適水温
適水温:15~21℃
チヌが産卵を行うため浅場へ出てくる「のっこみ」の時期が14~15℃であり、その水温になり始める頃には活性も高まり始めます。最も活性が高まるのは18℃ほどの水温との説も。
水温の低下が2~3℃以上ある場合は活性が低下し、食い渋ります。また、夏や冬の時期の水温が変化しやすい浅場では、なかなか釣れなくなるようです。
アオリイカの適水温
適水温:18~23℃
暖かい海を好むことで知られるアオリイカ。最も活性が高いのは、浅場でも狙いやすい20℃前後の水温です。25℃以上の水温では、水温の安定する深場や沖へ出てしまうようです。
また、16℃以下の低い水温でも、暖かい海域や水温の安定する深場へ移動してしまいます。さらに13℃を下回ると、ショアからアオリイカを狙うのは厳しくなります。
アジの適水温
適水温:16~26℃
アジは16~26℃程度で水温の安定している場所で活性が高まり、よく釣られています。水温が26℃を超えるような夏場は、水温の安定しやすい河口部に移動します。
15℃以下の水温では深場や沖へ移動することが考えられます。また、水温が急激に下がると活性も下がり、食い渋ってしまうようです。10℃以下の水温ではアジを狙うのは厳しいでしょう。
メバルの適水温
適水温:12~16℃
1年を通して楽しめる釣りのターゲットであるメバル。冬の釣りのターゲットとしても人気があり、適水温も他の魚に比べ低めの印象です。14℃前後で最も活性が高くなります。
水温が高まる夏場は、深場へ移動してしまうためショアからは狙いづらくなります。また、低めの水温が適しているメバルでも、10℃以下と水温の著しい低下が見られる厳冬期には活性が下がります。
ヒラメの適水温
適水温:15~25℃
ヒラメは18℃前後で水温が安定する春や秋の時期が最も高活性と考えられます。15~25℃の範囲外では、多くのヒラメは深場へ移動し、サーフなどから狙いづらくなります。
しかし、ヒラメを狙う釣り人の間では、水温よりもベイトの有無が重要という考え方が主流のようです。10℃以下と低い水温でも、ベイトが入っていれば釣果に繋がる場合も。
キジハタの適水温
適水温:15~25℃
水温が20℃を越える暖かい時期に産卵のために接岸する魚です。ショアから狙う場合は20℃以上の水温を指標にします。一般に、海水温25℃で最も成長すると言われます。
20℃を下回ると沖へ移動してしまうため、ショアからの釣りは厳しくなります。また、15℃以下の水温では活性は低下すると考えられています。
ブリの適水温
適水温:16~21℃
ブリの活性が最も高い水温は一般的に16℃程度と考えられています。中には西日本の温かい海域に居付くブリもおり、20℃前後の若干高めの水温でも高活性のようです。
※高知県水産試験場による研究では、「水温12℃以下、24℃以上にはほとんど分布しなかった」との結果も。適水温範囲外の水温や水温の変化の著しい場合は、活性が下がる可能性があるでしょう。
(※)梶 達也, 『ブリ資源有効利用に向けた回遊履歴の解明』 p33,l18
ヒラマサの適水温
適水温:18~23℃
ヒラマサは18~24℃の海域に多く見られます。活性が高いのは産卵が盛んに行われる20℃前後の水温と言えそうです。春の産卵前のヒラマサは最も活性が高まります。
活性の下がる水温は定かではありません。どの魚でも言えることですが、産卵後は活性が下がり、一般的にゴールデンウィークを境にルアーへのチェイスやバイトは減ってしまうようです。
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いざ、釣りを科学しよう!
魚が水温の変化に敏感なことは広く知られており、釣行時に水温を計っている釣り人も少なくないかもしれません。魚種ごとに適水温の下限・上限は異なりますが、多くの魚が2~3℃程度の水温の変化で低活性になってしまいます。釣行ごとに水温を計って変化を記録してみると、水温と釣果の関係が見えてくるかもしれません。