故障から子ども守れ 元中日・山本昌さんら講演

 野球に打ち込む子どもたちを故障から守り、競技人口の減少に歯止めをかけようと、「神奈川学童野球指導者セミナー」(神奈川新聞社など後援)が20日、横浜市西区の西公会堂で開かれた。

 県内の整形外科医や慶応高前監督の上田誠さんらが2017年に同セミナーを立ち上げ、昨年に続き2度目の開催。学童野球の指導者や医療関係者、保護者ら約580人が受講した。専門家がけがの原因や予防法などをレクチャーしたほか、日大藤沢高出身で元中日投手の山本昌さん、横浜高の渡辺元智前監督らが自身の経験を交えて指導法を説き、参加者は熱心に耳を傾けた。

 今春から新潟県高野連が投手の球数制限の導入を決めたことなどを受けたパネルディスカッションも行われ、スポーツ整形外科の第一人者として知られる山崎哲也医師(横浜南共済病院)は「子どもを守るために学童での球数制限は必要だが、具体的な投球数はオールジャパンでの議論が求められる」と述べた。

 上田さんは「今回のセミナーで『野球界は今のままじゃまずいな』と一人でも多くの人が感じてくれたら。今後もさまざまなイベントに取り組んでいきたい」と話していた。

身ぶりを交えて投球時の腕の使い方を伝える山本さん =西公会堂

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