『サスペリア』 簡単には理解できないところが面白い!

(C)Courtesy of Amazon Studios

 1977年に、イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督が作った『サスペリア』という映画があります。私自身、生まれる前の映画なのでリアルタイムで観ていないのですが、当時のキャッチコピー「決してひとりでは見ないでください」という言葉はとても有名なので、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか? ドイツのバレエ学校に入学した少女に次々と襲い掛かる恐ろしい出来事を、ゴブリンの音楽によって大いに恐怖を煽りながら、圧倒的な映像美で描かれた作品です。

 そしてその映画を、ハリウッドの人気女優陣を起用して41年ぶりにリメイクしたのが本作『サスペリア』。監督は昨年のアカデミー脚色賞を受賞した『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督です。17歳の少年と年上の男性との恋模様を美しく描いた同監督が新作に伝説的なホラー映画のリメイクを選ぶというのは意外でしたが、オリジナルのストーリーはそのままに、全く新しい世界観で『サスペリア』を作り上げています。アーティスティックな世界に引き込まれ、映画を観た後は「一体なんだったんだ!」と大混乱! でもだからこそ、私のようにシンプルすぎる映画を観ている方ほど観ていただきたい。うーんと頭を悩ませる感覚も面白くて、2度3度と観たくなっちゃうはずですよ! ★★★★☆(森田真帆)

監督:ルカ・グァダニーノ

出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントンほか

1月25日(金)から全国公開

© 一般社団法人共同通信社