三原山(みはらやま)とはどんな山?
- 標高: 758m
- 山頂所在地: 東京都大島町
- 最高気温(6月-8月): 23.7℃
- 最低気温(6月-8月): 17.1℃
参考:ヤマレコ
三原山(みはらやま)は東京湾の南、伊豆大島にある火山の山。山頂部には径4kmのカルデラがあり、その中の中央火口丘にある三原新山が最も高く標高758mで、海底まで含めると1,000mほどの火山になります。火口を周遊できる遊歩道が整備されているため観光地にもなっていて、コースもいくつかあるので時間や体力に合わせて登山を楽しむことができます。
三原山は活火山
三原山のある伊豆大島は島そのものがひとつの活火山で、これまで緩やかな噴火を繰り返してきました。しかし1986年11月には大規模な溶岩流が生じて全島民避難。その後火口周辺は立ち入り禁止でしたが1996年11月に解除され、現在では遊歩道などが整備されています。
間近に見る噴火口!
山頂にある火孔と呼ばれる火口は、直径約300m、深さ約200mもある巨大な穴で、過去には底にマグマが見えることもあったそう。現在でもマグマに熱せられた水が湯気となって立ち上っている迫力のある姿を見ることができます。
日本で唯一の砂漠
三原山の東側一帯に広がる裏砂漠は、国土地理院が発行する地図で、日本で唯一「砂漠」と表記されている場所。噴火によって植物が燃え尽きたあと、”スコリア”と呼ばれる黒い火山岩で一面覆われた地表。さらに強風で植物が育ちにくいため、まるで地球ではないような黒い砂漠の世界が広がっています。
海の向こうには富士山の絶景!
三原山のある伊豆大島は、実は富士山の絶景スポット。晴れていれば裾野まできれいに富士山の姿がとらえられます。三原山に登ると海の向こうには、伊豆の山々や富士山、南アルプスまで見渡すことができます。
三原山の天気
三原山に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!
メジャールート|三原山・裏砂漠トレッキング
三原山のカルデラの縁からスタートして三原新山に登り、大島温泉ホテルに下山するコース。遊歩道が整備されていますが、山頂付近は砂利道になるのでスニーカーよりはトレッキングシューズがおすすめ。山頂口の歌乃茶屋や御神火茶屋園地望遠避難休憩舎でヘルメットを借りることができます。
①火口をめぐり裏砂漠も見られるメジャーコース
- 距離: 約7.9㎞
- コースタイム: 約2時間45分
- 標高差: 約259m
- 日程: 1日
- 難易度: ★☆☆☆☆
参考:YAMAP、伊豆大島ナビ
山頂口(御神火茶屋)(60分)→三原山神社(25分)→三原新山(20分)→剣ガ峰(10分)→大島温泉ホテル分岐(20分)→テキサスコース分岐(30分)→大島温泉ホテル
バスの終点でもある山頂口(御神火茶屋)からスタート。ヘルメットを借りられる茶屋やトイレが設置されています。
まずは舗装路を歩いて広いカルデラ内部に入っていきます。山腹の黒い筋は溶岩が流れた跡。ごつごつと溶岩が積み重なっている場所もあり、火山であることを感じられます。5月には溶岩の割れ目からたくましく咲いているオオシマツツジが綺麗です。
道は次第に九十九折の急こう配へと変わっていきます。遊歩道にはシェルターがいくつも設置されています。
登りきると目に入ってくる三原神社の鳥居。三原神社は鳥居をくぐって少し下ったところにあります。1986年の全島避難となった噴火では、溶岩が直前で神殿を避けて通ったため焼失をまぬがれたという不思議な現象がありました。
お鉢回りの登りに入ると道は舗装路から砂利道になります。風が強いことが多いので防風対策をしましょう。
山頂そばでは迫力のある巨大な火口を観察できます。火口の向こう側には水平線、裏砂漠の広大な景色まで見渡せるポイントです。
お鉢回りで西側に来ると裏砂漠全体が見られるようになります。一面をスコリアで覆われた黒い地表はまさに別世界。
お鉢巡りでは剣ヶ峰右裾の1986年B2火口も間近に見ることができます。高さ1500m以上の火柱を噴き上げ大量の溶岩が流れ出た場所です。
大島温泉ホテル・テキサスコースの分岐を右へ、大島温泉ホテルに向けて下ります。
道は平たんになり、周囲には様々な形の溶岩が見られます。植物再生の道とも言われる場所で、火口から離れるにつれ草地からだんだん低木に変わっていきます。
背の高い木が増え、にょろにょろとした木のトンネルをくぐったらゴールはもうすぐそば。
大島温泉ホテルがゴールです。日帰り入浴もできる三原山を眺められる絶景露天風呂がおすすめです。
海まで歩こう|テキサスコース
伊豆大島はジオパークに認定されている島です。このルートでは火口から砂漠、海まで歩いてその自然を堪能できるコース。広大な砂漠は迷いやすいので必ずコースを確認してから歩きましょう。
②火口から砂漠の横を歩いて海まで出るロングコース
- 距離: 約10.1㎞
- コースタイム: 約3時間55分
- 標高差: 約662m
- 難易度: ★★☆☆☆
参考:YAMAP、日本山岳会
山頂口(御神火茶屋)(60分)→三原山神社(25分)→三原新山(20分)→剣ガ峰(10分)→大島温泉ホテル分岐(20分)→テキサスコース分岐(70分)→テキサスコース入口(30分)→大島公園
テキサスコース分岐までは①のコースで歩きます。
テキサスコース分岐から、分岐を右に大島公園方面へ。
真っ黒で広大な砂漠を歩くと、遮るものがなくただただ広い景色に圧倒されます。だんだん植物が増えていく様も面白いポイントです。
やがて樹林帯へと変わり、緑のトンネルを抜けるとテキサスコース入口の看板があります。
看板の前の道路を横切り、大島公園方面へ再び登山道に入ります。
都立大島公園にゴール。公園には溶岩の地形を生かした動物園や椿園もあるので時間があれば立ち寄ってみては。
登山口へのアクセス・駐車場情報
伊豆大島へは、船または飛行機で行きます。島内の移動はバスも便利ですが、本数が限られているので他にも観光したい場合はレンタカーがおすすめ。ただし、裏砂漠一帯は特別保護地区、および特別地域となっており、車両乗り入れ禁止場所もあるため注意が必要。
伊豆大島へのアクセス
【船の場合】
竹芝桟橋(東京)→大島(元町港、または岡田港)
※各島における当日の出港地は天候等により変更する場合があります。
当日の運航状況をご確認いただくか、お客様センターにお問い合わせください。
東海汽船のホームページ
【飛行機の場合】
調布飛行場(東京)→大島
新中央航空のホームページ
登山口へのアクセス
【三原山山頂口】
元町港・岡田港より、大島バス三原山ラインで三原山山頂口下車。
<駐車場あり>
【大島公園】
元町港・岡田港より、大島公園ラインで大島公園下車。
<駐車場50台>
大島バスの時刻表・マップはこちら
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東京竹橋から、日帰り登山は可能?
船や飛行機を使うため、日帰りは難しそうですが…同じ東京からなら日帰り登山は可能??
始発・最終便から調べてみました。
▼行き
8:35 東京竹橋発→10:20 大島着
10:35 入港地発→11:00 三原山頂口▼帰り
14:30 大島発→19:45 東京竹橋着
始発最終便を使っても、竹芝からの日帰りはかなり難しそうです。温泉なども一緒に堪能して、ゆっくり1泊で楽しむのがおすすめです。
伊豆大島おすすめの温泉・施設
三原山のある伊豆大島は火山の島。そのため温泉施設がいくつかあります。ここでは日帰り入浴できる施設と伊豆大島火山博物館をご紹介します。
元町浜の湯(元町港から徒歩3分)
長根浜公園にある海の目の前の露天風呂。男女混浴で水着を着用しなければなりませんが、富士山や伊豆半島の山々まで見渡せる景色の良い温泉です。内湯はありませんが、更衣室にシャワーが設置されています。
住所:東京都大島町元町字トンチ畑882
電話番号:04992-2-2870
営業時間:13時~19時(夏期は11時~19時)
休業日:年中無休(天候により休業)
料金:大人300円、子供150円
愛ランドセンター御神火温泉(元町港から徒歩5分)
長根浜公園に隣接する温泉施設で、プールやジャグシー、レストランなどの施設もあり、50畳ある広い休憩室でゆっくりできます。船の運行に合わせて営業しているので便利です。
住所:東京都大島町元町字仲の原1-8
電話番号:04992-2-0909
営業時間:6時半~21時 (夜行便が到着する日)
営業時間:9時~21時 (夜行便が到着しない日)
休業日:第2木・金(2、3、8月は変則)
料金:大人700円、小人(小中学生)300円
三原山温泉・大島温泉ホテル(元町港から車で30分)
登山口にもなっている大島温泉ホテルの温泉は日帰り入浴で利用できます。三原山の外輪山の縁にあり、露天風呂から見える景色は原生林の向こうに雄大な三原山がある絶景!登山の後に立ち寄る場合は営業時間に注意しましょう。
住所:東京都大島町泉津字木積場3号
電話番号:04992-2-1673
営業時間:6時~9時、13時~21時
料金:大人800円、小人400円
伊豆大島火山博物館
三原山の噴火災害を中心に伊豆大島の火山の歴史や火山の噴火のメカニズム、防災対策などについて学べる博物館。伊豆大島のことだけではなく、日本や世界の主な火山についても説明されています。三原山に登る前にぜひとも立ち寄りたい施設です。住所:東京都大島町元町神田屋敷617電話番号:04992-2-4103営業時間:9時~17時(最終入館16時半)休業日:年中無休(臨時休館あり)料金:大人500円、小中学生250円
三原山トレッキングを楽しもう
三原山はまだ新しい噴火の様を間近で見れる場所。水蒸気の上がる様や巨大な火口を眺めながら火山噴出物のスコリアをジャリジャリと踏みしめながら歩ける場所はそう多くはありません。伊豆大島は訪れるだけでも楽しい場所なので、ぜひ観光とともに登山も楽しんでください!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。