浅村加入、新人6人が1軍スタート 新生・楽天の春季キャンプの見所は…

楽天・岸孝之(左)と則本昂大【写真:荒川祐史】

投手では2年目の近藤、3年目の池田も楽しみな存在

 2018年はリーグ最下位でシーズンを終えた楽天。今オフは積極補強に加え、小谷野栄一や後藤武敏を筆頭に、多くの新コーチを迎え入れるなど大改革を敢行した。そんな新生「平石楽天」が、2月1日から沖縄県久米島町と金武町にて行う「マジェスティック スプリングキャンプ 2019」の見どころを紹介する。

 5年連続の奪三振王に輝いた則本昂大投手と、最優秀防御率を獲得した岸孝之投手というWエースを擁する楽天。しかし、昨年2桁勝利を記録したのは、この2人のみ。美馬学投手はわずか2勝に終わり、辛島航投手は9度のクオリティースタート(QS)を達成しながら4勝9敗と、大きく負け越した。今年こそは、若手の先発投手の台頭に期待がかかる。

 そんな中で注目が集まるのは1軍でもそれぞれ実績を残している古川侑利投手、藤平尚真投手あたりだろう。古川は昨年プロ初勝利を含む4勝を挙げ、藤平も8月に復帰して以降は先発ローテに加わり、初完投勝利を含むキャリアハイの4勝をマークした。

 この他、今回のキャンプで1軍に選ばれた2年目の近藤弘樹投手と、3年目の池田隆英投手も楽しみな存在。2017年ドラフト1位の近藤は、昨年10月に行われた「第2回 WBSC U-23ワールドカップ」決勝で先発を務め、8回無失点の好投。池田は同12月のアジアウインターベースボールリーグで、4試合に登板して2勝0敗、防御率0.69という成績でイースタン選抜の優勝に貢献している。

 ルーキーの投手ではドラ4の弓削隼人とドラ8の鈴木翔天が1軍に振り分けられた。弓削は身長190センチ超の大型左腕で、担当スカウト曰くどこでも投げられる「和製ランディ・ジョンソン」。鈴木は、本格的に投手を始めてまだ4年という22歳。どんな球を投げるのか、ファン・首脳陣の注目度は高い

野手では浅村のほか、捕手の堀内らが注目株

 広島からトレード加入した福井優也も欠かせない注目点である。昨季は0勝3敗という結果に終わったが、プロ8年間で通算109試合に登板した経験は大きな武器となるはずだ。また、今回は2軍スタートとなったものの、ヤクルトから戦力外を受け、育成選手として入団した由規も、仙台のファンにとっては特別な選手だろう。度重なる怪我に悩まされているが、新天地で迎える春、復活への第一歩を踏み出せるか。

 野手陣に目を移すと、昨季新人王に輝いた田中和基外野手の台頭はあったものの、チーム打率、得点はともに12球団ワーストを記録。全体的な戦力不足は明らかだった。チーム防御率は12球団中3位と、投手陣が健闘していただけに、野手陣の奮起が求められている。

 そんなチームの救世主として大きな期待がかかるのが、西武からFAで移籍してきた浅村栄斗だ。昨季全試合に出場し、32本塁打127打点、打率.310という大活躍で西武を10年ぶりのリーグ優勝に導き、自身2度目の打点王を手にしたスラッガー。そんな浅村の加入は中軸を欲していたチームにとってまさに願ったり叶ったり。大事な二塁に確固たる軸ができることにもなり、攻守の両面に計り知れないほどの好影響が与えられるだろう。

 また「第2回 WBSC U-23ワールドカップ」の全試合でスタメンマスクを被った堀内謙伍は決勝進出を決める勝ち越し3ランも放つなど存在感を示して1軍キャンプに招集された。ドラフト1位の辰己涼介をはじめ、太田光、渡邊佳明、小郷裕哉といった多くのルーキーも1軍に抜擢。巨人からトレード加入した橋本到は2軍スタートだが、ジャバリ・ブラッシュ、アラン・ブセニッツの新助っ人2人も1軍キャンプスタートとなっている。

 新監督就任、オフでの積極的な補強などにより、新生・平石楽天への期待は大きな高まりを見せている。新戦力を含めた選手たちのプレーをいち早く確認できる場でもある今回の春季キャンプ、見逃すわけにはいかないだろう。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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