ホンダ ステップワゴン モデューロX 試乗│気持ち良いハンドリングと乗り心地のバランスを最大限重視した楽しいミニバン

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

普通のミニバンは乗って楽しいというより、実用車

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

ホンダ ステップワゴンに代表される5ナンバー規格をフルに使った3列シートミニバンの使い勝手ときたら、もはや申し分なし。

私も1年ほど前までステップワゴンに乗っていたけれど、ボディ幅が狭いため駐車場で苦労しない。その割にキャビンスペースは広く、3列目シートの居住性だって十分。日本だとジャストサイズのファミリーカーです。

ただ私が乗っていたのは1500ccターボエンジンで、足回りも標準のスパーダ。乗って楽しいかと言えば「う~ん」でした。パワー的に普通。燃費を考えても普通。足回りだって乗り心地こそ悪くないものの、クルマ好きだと少しばかり物足りない。そんなこんなで2年ほど乗り手放した次第。趣味のクルマというより実用車でした。

ノーマルのハイブリッドでも動力性能的には良いが・・・

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)
HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

ということで今回試乗したのはハイブリッドのステップワゴン モデューロX。

まずパワーユニットが2ランクくらいパワフルになっている。1500ccターボの出力150馬力に対し、184馬力のモーターと150馬力のエンジンを組み合わせており、システム最大出力は215馬力になった。最大出力だけでなくトルクバンドやレスポンスも大幅に向上。

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)
HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

乗った感じは3リッター級エンジンを搭載したような感じだ。ちなみにトヨタ ノア3兄弟のハイブリッドだとシステム最大出力136馬力。日産 セレナeパワーも136馬力である。したがってノア3兄弟とセレナの場合、2000ccガソリンと同等の動力性能だと思って頂ければOK。ステップワゴンのハイブリッドだけダントツにパワフルなのだった。

ただノーマルのハイブリッドに試乗すると、動力性能的に「いいね!」ながら、ハンドリングで物足りない。普通のミニバンです。スポーティモデルという方向性じゃないため仕方ない? そいつをカバーしてくれるのが今回試乗したステップワゴン モデューロXである。足回りを大きく見直しており、バネもダンパーもオリジナルを採用した。

足回りやドレスアップなど、普通のミニバンで今一つだった部分を解消

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)
HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

ここまで読んで「足回りを硬くしたのね」と思うことだろう。その通りなのだが、ヘタにバネレートや減衰力を上げていくと乗り心地を落とす。ハンドル握っているドライバーは多少硬くても気にならないものの、リアシートに座っていると単純に超不快。リアタイヤから後ろに座る3列目シートが一番揺さぶられる。

こうなると不快なだけでなく、クルマ酔いまでしてしまう。ミニバンとして考えたら本末転倒だ。

ステップワゴン モデューロXはドライバーが気持ち良く感じるハンドリングと、リアシートの乗り心地のバランスを最大限重視したセッティングになっている。このあたりがゼツミョウでございます。今までのノウハウの積み重ねにより納得いく仕上がりかと。

その他、エクステリアのエアロキットや加飾、インテリアもピアノブラック使ったダッッシュパネルなど様々なモデューロ風の味付けがされている。後付けパーツでここまでドレアップするとけっこうな御予算が必要ながら、専用アルミホイールまで含んで399万6千円(消費税込)。使い勝手や家族構成などでミニバンを選ぶクルマ好きにすすめておく。

[筆者:国沢 光宏/撮影:和田 清志]

HONDA STEP WGN Modulo X(ホンダ ステップワゴン モデューロX)

※モデューロX仕様のスペックは未公表のため、ベース車両のスペックを記載。

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