鷹は唯一のゼロ人で最低「E」評価、ハムはバランス良し…12球団補強採点【パ編】

ソフトバンク・工藤監督(左)、日本ハム・栗山監督【写真:荒川祐史】

日本一ソフトバンクはFA市場で西と浅村を逃す…

 1月も半ばを過ぎ、いよいよ2月1日のキャンプインが目前に迫ってきた。宮崎、沖縄、そして米アリゾナ州でセパ12球団が開幕に向けた1か月に及ぶ長く厳しいキャンプを一斉にスタートさせる。

 シーズンオフの間、各球団のフロントは来季への戦力編成を進めてきた。頂点を狙うには、自チームに足りない部分はどこか、補うべき部分はどこか。そこを見極めながら新外国人の獲得やトレードなどで進めてきた補強も、時期的に各球団ほぼ出揃ったといえるだろう。

 各球団の補強の成果はシーズンが終わってみないと分からないものではあるが、どの程度、戦力的な上積みが見込めそうか。Full-Count編集部では各球団の補強を上からA~Eの評価で独自に診断してみた。今回はパ・リーグ編だ。

【西武】C
ザック・ニール投手
廖任磊投手
内海哲也投手
高木渉外野手

 昨季10年ぶりにパ・リーグを制覇した西武。12球団ダントツの792得点を奪った打力は際立つが、一方でチーム防御率4.24はリーグワースト、12球団でも中日に次ぐ下から2番目と課題は明白だった。昨季終盤に台所を支えたマーティン、ヒースは残留し、そこにニールを補強した。炭谷の人的補償でベテラン左腕の内海を獲得でき、投手陣に厚みを持たせた。浅村の流出は既存戦力で補いたい。

【ソフトバンク】E
なし

 昨季リーグ2位から2年連続で日本一に輝いたソフトバンク。オフのFA市場では浅村、西の獲得に乗り出したものの、まさかの“連敗”。外国人も7人全員が残留しており、ドラフト以外の補強は12球団で唯一、ゼロ人となっている。現有戦力だけでも分厚い選手層を誇るだけに今季も優勝候補となるだろうが、補強の評価としては最低の「E」となる。

オリックスは3Aで好成績のメネセス&エップラー獲得も、流出が…

【日本ハム】A
金子弌大投手
ジャスティン・ハンコック投手
王柏融外野手
秋吉亮投手
谷内亮太内野手
ジョニー・バーベイト投手
 
 昨季はパ・リーグ3位に食い込んだ日本ハム。選手を育てるチーム作りが特色だが、今オフは稀に見る積極的な補強に動いた。投手はオリックスを自由契約となった金子弌大投手を獲得して先発を補強。ハンコック、バーベイトと2人の助っ人投手も加入した。野手ではレアードを放出したものの、“3冠王”王柏融が入団。トレードも敢行し、ヤクルトから中継ぎの秋吉と内野の谷内を加えた。先発、リリーフ、野手とバランスの良い補強だったのではないだろうか。

【オリックス】D
ジョーイ・メネセス内野手
竹安大知投手
タイラー・エップラー投手

 昨季、Bクラスの4位に終わり、西村徳文新監督が就任したオリックス。オフは激動のものとなり西勇輝投手がFAで、金子弌大投手と中島宏之内野手が自由契約で流出し、チームは変革期を迎えている。メネセスは3Aで打率.311、23本塁打82打点の好成績を残し、エップラーも3Aで13勝をマーク。それぞれ期待の助っ人ではあるが、流出した戦力を補い切れていないのではないか。

【ロッテ】B
ケニス・バルガス内野手
細川亨捕手
ジョシュ・レイビン投手
ブランドン・マン投手
ブランドン・レアード内野手
茶谷健太内野手

 井口資仁監督が就任し、2年目を迎えるロッテ。オフも当初は動きが鈍かったものの、1月に入って目まぐるしく補強の動きがあった。バルガスはプエルトリコのウインターリーグでMVPに輝き、チームが求めていた大砲候補だ。2016年の本塁打王レアードも加えて打線の強化に成功した。投手ではブランドンとレイビンを獲得。ボルシンガーを軸に外国人を起用することになるか。

【楽天】B
橋本到外野手
浅村栄斗内野手
福井優也投手
アラン・ブセニッツ投手
ジャバリ・ブラッシュ外野手
由規投手

 平石洋介新監督のもとで戦う2019年の楽天。オフは石井一久GMによる積極補強が行われ、戦力の底上げが行われた。何と言っても、FAでの浅村加入が大きい。昨季の打点王の加入により「3番・二塁」に計算できる軸ができた。ブラッシュは3Aの83試合で29本塁打を放った大砲候補。ブセニッツでリリーフを補い、上々の補強戦略だったのではないか。(Full-Count編集部)

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