【選抜高校野球】横浜・平田監督 就任4年目、悲願成就

 若き指揮官が名門に新たな伝統を築く。横浜高校の平田徹監督(35)は監督就任4年目で初のセンバツ出場に「関東大会で何度もはじき返されてきた中、選ばれて素直にうれしい」と胸を高鳴らせた。

 選抜大会の選考基準となる秋の関東大会は8強が過去最高。5または6校という関東地区枠の前に過去に2度、涙をのんできた。昨秋の関東も8強で敗れたが、大会選考委員は選出理由に全国屈指の左腕・及川雅貴投手(2年)の存在を挙げた。

 個性を伸ばす指導スタイルが実を結んだ。常に選手に「誰のため、何のために野球をやるのか。自分のためだろう」と問い掛ける。対話と自主性を重んじ、「複数球団が競合したドラフト1位でプロ入り」を目指す及川投手の成長を促した。17歳が投じる最速153キロの剛速球は、選考委員を魅了するまでに至った。

 選出の知らせを受け、ナインを引き締めた。「こういう形で選んでもらえた。1、2回戦で負けるようなふがいない戦いでは立つ瀬がない」。巧みな手綱さばきで、13年ぶりの春の頂へと駆け上がる。

「ふがいない戦いはしないよう、肝に銘じてほしい」と話す平田監督=横浜高長浜グラウンド

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