「終着駅」シリーズ、片岡鶴太郎「牛尾刑事のブレない生き方に敬服!」

テレビ朝日系では1月27日に、森村誠一ミステリースペシャル「終着駅牛尾刑事50作記念作品~荒野の証明」(午後9:00)を放送する。寡黙にして実直、執念の捜査で事件の奥底に潜む真相に迫る、新宿西署のベテラン刑事“モーさん”こと、牛尾正直が活躍する「終着駅」シリーズは、今作で50作目を迎える。同シリーズで第5作目から23年にわたり主人公・牛尾刑事を演じてきた片岡鶴太郎が作品への思いを語った。

「牛尾さんは、“正直”と書いて“まさなお”。ひたすら正直で、日々の暮らしをしっかり丁寧に送っている方。その人となりには学ぶべきところが多くて、年に2回、牛尾刑事と時間を共有できるのは私にとってもありがたいことです。そのブレのない生き方には敬服しています」と牛尾刑事の人となりに大きな影響を受けてきたことを打ち明け、「50作も続いたのは何より監督やスタッフの皆さま方のご尽力、そして作品を支えてくださっている視聴者の方のおかげ。とにかく感謝しかないです」と感慨深げに語った。

そして、第1作からメガホンを取っている89歳の池広一夫監督について「監督は今回もスタッフの中で一番お元気! 撮影が始まる前は風邪をひいて体調を崩していたと聞きましたが、現場に入ると別人のようで、たぶん現場に来ると“池広監督”という存在になられるのだと思います。来年は90歳になられますが、私にとってもライフワークであり大切な作品ですので、ぜひとも監督には健康に留意して、長く続けていただきたいと思います」と感謝の思いとともに健康を気遣った。

また、今作にゲスト出演する高島礼子については、「礼子ちゃんとは事務所が同じで初々しい時代から存じ上げています。そんな彼女も、いまや堂々たる主演女優。体幹のしっかりした、骨太の女優さんになられたなと感じました」と絶賛している。

そして、牛尾刑事が長年にわたって視聴者に支持されてきた理由は「決して派手なドラマではありませんが、人生の悲哀や社会の不条理、市井の人々の喜怒哀楽を丁寧に描いている。やはり皆さん、そこに普遍的な物語を感じるのではないでしょうか」と分析し、「今回は、社会格差や組織内でのストレスなど社会問題となっているテーマにも視点を置いていて、時代性から見てもタイムリーな作品になったと思います」と見どころを語った。

今回、牛尾刑事が挑むのは、大手繊維メーカーの創業記念パーティーの会場で絞殺死体が発見された事件。しかし、捜査を始めた牛尾たちの前に、本庁の捜査二課から女性係長・関川響子(高島)が乗り込んでくる。響子は、詐欺や汚職事件を扱う二課の捜査は秘密保持が原則だとして、自分たちがどんな事件を追っているのかすら明かさず、新宿西署の面々と対立。そんなギクシャクした捜査の中で、新たな失踪事件が浮かび上がってくる。

牛尾が女性刑事と並走して事件を追うという展開は、長いシリーズの歴史の中でも初めてで、片岡も「礼子ちゃん演じる女性刑事にお越しいただいたのは新しい試み。新鮮味が感じられる記念作になりました」とアピールしている。

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