冬の移籍市場も残すところあとわずかとなった。
ここでは、『sportskeeda』による「夏に加入したものの移籍先チームが抱える問題を解決できなかった選手たち」を見てみよう。
マリアーノ(レアル・マドリー)
この取り引きは幸せな結末を迎えようのないものだった。
レアルでの出場が8試合しかなかったマリアーノは2017年にリヨンに売却される。だが、フランスでは45試合で21ゴールとセンセーショナルな活躍を披露。
メンフィス・デパイやナビル・フェキルら才能ある選手とプレーし、リヨンの3位躍進に貢献してみせた。
クリスティアーノ・ロナウドが退団した昨夏、フロレンティーノ・ペレス会長は確固たるストライカーを連れてこなければならなかった。ハリー・ケインやマウロ・イカルディなど少なくともロナウドの半分は得点を奪える選手を。
だが、ペレスが選択したのは、2300万ユーロ(28億円)でのマリアーノの再獲得だった。さらに彼にとって不運だったのは、背番号7を託されたこと。それによって、比類なき“伝説”との比較に耐えることを余儀なくされた。
怪我もあったマリアーノは今季の得点数がわずか1。ここまでのパフォーマンスはペレスの決断が正しかったと証明するものにはなっていない。
ただし、彼にはチャンスが欠けてもいる。ベンゼマに代えて先発起用する価値があるかもしれないが…。
フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)
ポール・ポグバ加入後にユナイテッドが獲得してきたMFたちの役目は、フランス人MFに攻撃面で輝くための自由を与えることだった。
昨年1月にはマンチェスター・シティが狙っていたフレッジだったが、夏に5200万ポンド(75億円)でユナイテッドが確保。
だが、加入から半年以上が経っても、レギュラーとしての地位を確立するための貢献が全くできないでいる。怪我があったとはいえだ。
そして、スールシャール新体制下では、アンデル・エレーラが素晴らしいプレーを見せており、フレッジが彼にとって代わることはかなり考えにくい。
とはいえ、失敗と決めつけるのは時期尚早だ。ユナイテッドはまだFAカップやCLで勝ち残っており、フレッジは自らを証明するチャンスを得られるはず。
シュテファン・リヒトシュタイナー(アーセナル)
彼がここまでインパクトを放てないでいる理由の一部は、エメリ監督が頻繁に4バックと3バックをローテーショしているためだ。
その結果、リヒトシュタイナーはサイドバック、ウィングバック、さらには怪我人の影響によってセンターバックでプレーすることを余儀なくされている。
右BSのファーストチョイスであるエクトル・ベジェリンが怪我により離脱となったが、指揮官は35歳のベテランよりも若いエインズリー・メイトランド=ナイルズを好んでいるように見える。
輝かしいキャリアの終わりに差し掛かっているリヒトシュタイナーが、ユヴェントスでピークにあった当時の姿と異なるのは当然のことだ。
とはいえ、そのユーティリティ性によって、アーセナルに提供できるものはまだまだあるはず。本人が予想していたものとは異なるかもしれないが。
マウコン(バルセロナ)
ボルドーでのブレイクによって祭り上げられたマウコンだが、夏の移籍以降その評価はかなり落ちた。
昨季のバルサはネイマールの代役として獲得したウスマヌ・デンベレが苦戦。それもあり、クラブはローマから強奪する形でマウコンを獲得した。
ハイジャック移籍として大きな物議を醸すなか、バルサは4100万ユーロ(51億円)という手頃な価格で最も魅力的なウィンガーのひとりを手に入れたはずだった。
だが、当時退団説が流れていたデンベレの代役としての補強だったとしても、この獲得はうまく機能していない。
加入以降マウコンは余剰戦力となっている一方、デンベレは問題を抱えつつも素晴らしいプレーを見せているのだ。もはやマウコンのスペイン退団は不可避にも思えるが…。
ゴンサロ・イグアイン(ミラン→チェルシー)
ミランへのローン期間が終わる前にチェルシーに移籍したという事実が何よりもそれ(失敗)を物語っている。
ミランでは若手有望株のパトリック・クトローネとともに攻撃陣を牽引することが期待されていた。
調子を崩す前には7試合で6ゴールをマーク。だが、保有元であるユヴェントスとの対戦でPK失敗&退場…。そこから坂を転がるように暗転してしまう。
それでも、移籍を願うロンドンからの声は絶えなかった。キャリアを通じて無慈悲なゴールスコアラーだったイグアインをチェルシーは活用できるかもしれない。唯一の問題は年齢だ。
その一方、ミランは23歳のクシシュトフ・ピョンテクを獲得。イタリアでイグアインを恋しがる声は聞かれないかもしれない。