白、青、オレンジ、茶と、さまざまな色の帯を締めた「新極真会ニューヨーク道場」の道場生が、ミッドタウンのスタジオに整列した。代表で空手歴30年以上の佐藤哲也さんは、「この道場は2006年に創立以来、基本を重視する日本の稽古と全く同じやり方、考え方で教えています」と語る。
稽古は、まず準備運動からスタート。健康維持とけが防止のために、柔軟運動には時間を長めに取っているという佐藤さんは、「肩の力を抜いて」「足を広げ過ぎないように」と細かく注意を促す。
佐藤さんが最も力を入れている「基本稽古」に移った。「中段突き」「上段突き」「前蹴り上げ」「内まわし蹴り」と続く号令に合わせて、道場生は「エイッ!」「セイッ!」と気合の入った掛け声とともに、握り拳を打ち込み、蹴り技を出していく。
型の稽古が一つ終わるたびに、じっくりとストレッチを行うのもこの道場の特徴の一つだ。「体の柔軟性を重視しているので、稽古の合間合間に柔軟運動を織り交ぜています」と佐藤さん。
重心移動をしながら突きや蹴りの技を繰り出す「移動稽古」の後は、「型」「組手」の稽古と続き、「打ち込み」の練習に。バンバンッとミットにパンチや蹴りを入れる激しい音が響き、みるみるうちに道着が汗だくになっていく。
最後は2人一組で、グローブを着けて蹴り技を掛け合う「約束組手」の稽古で終了した。激しい運動を終え、道場生は皆、充実感がみなぎっていた。
フィジカルセラピストのダリン・チャンさんは空手歴2年。「サニー・千葉(千葉真一さん)の映画を見て空手に憧れていました。強くなってもっと自分に自信を持ちたかったので参加しました。佐藤先生は、僕達がよりいい人間になるように導いてくれます。目指すはもちろん黒帯です」と大きな笑顔で語った。
「空手にはたくさんのメリットがあるんです」と話すのは、2カ月前に参加したというビジネスコンサルタントのウラジーミル・ケイさん。「子供はもちろん、年を取ってからでも始められて、筋力をアップして強靭な体を作り、脳を活性化する効果も抜群です。クラスでは先生が、一つ一つの技の意味とその大切さをきちんと説明してくれるので、よく身に付いています」と話す。
第11回世界大会でベスト16に輝いた大下郁真(いくま)さんは、「空手の稽古を通じて、礼儀や忍耐を厳しく教えられました。稽古はとてもきつかったですが、その時の経験があったおかげで、どんなにきついことでも乗り越えてこられました」と話す。大下さんはこの道場で木曜日のクラスを教えていて、「佐藤先生は日本の伝統を引き継いだ教えを、信念を持って行っている素晴らしい先生です」と敬意を表していた。
Shinkyokushinkai NY
Ripley-Grier Studios(520 8th Ave., 16th Fl.) で毎週火曜午後7時30分~9時、木曜午後7〜8時、金曜午後6時30分~8時。
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