「自分で自分超えたい」 ロサンゼルスで暮らす人々-vol.771

By Yukiko Sumi

川和 美輝 |Miki Kawawa モデル/女優

 可憐な花に見え隠れする凛とした強さ。川和美輝さんはそんな美しきパワーを内に秘める。ロサンゼルスを拠点にモデルとして活躍し、2016年公開の映画『カラテキル』(光武蔵人監督)出演後は演技の分野にも進出。「思ったことはかなえられる。自分でも想像できないことは何もできない。想像できることは自分にその要素、可能性があると思う」。

ロサンゼルスを拠点とするモデル・女優の川和美輝さんは、「思っていればかなえられる」と信じ、自分自身を超えるために活動し続けている

 2007年、高校卒業後にLAへやってきた川和さん。進路を決める高校2年生のとき、「将来何になるのか想像できなくなってしまった」という。「自分が何者になるのかを見つけたい」と決意しての渡米だった。大好きな映画に携わりたいと入学したカレッジでは、アクティングクラスに参加。しかし「ここで勉強だけしていても何者にもなれないかもしれない」と不安になった。卒業後に活動を始めても遅いと思い、ハリウッドの演劇学校へと移った。転機は20歳のときに訪れた。モデル事務所にスカウトされたのだ。「当時は異国の地でオーディションや撮影に行くようになるとは思いもしなかった」と振り返るが、仕事は「思ったよりも」順調に進み、コカ・コーラ、任天堂、シティバンクなどのワールドワイド・キャンペーンに起用された。

 実は、19歳の時に失恋を経験。相手を見返したいという気持ちもモチベーションになり、さらに大学で映画を勉強していた周囲の仲間からも刺激を受けて仕事に打ち込み、多忙になって学校も辞めた。立ち止まることなくひたすら撮影に臨んでいたが、張り詰めた糸はある日突然切れてしまう。体調を崩して活動を休止し、ようやくオーディションに行かれるぐらいまでになったのは、2年後のことだった。再開後、ロレアルの仕事を獲得した。「Imagine all you can be」という、自身の生き方を表現するようなキャッチフレーズを謳う商品での再起だった。

コカ・コーラ、任天堂、シティバンクなどのワールドワイド・キャンペーンに起用されるなど、輝かしい実績を持つ

 「やりたい仕事に恵まれてきた。受かった仕事から勇気をもらったり後押しされてきた。自分で自分を超えたいし、超えないと続けていけないと思う」。人に対してではなく、自分に対しての負けず嫌い。「モデルは一つの作品。自分でコントロールはできない世界だけど、その中で人にめぐり逢って、仕事が仕事を生む。そういうときに、まだまだ続けたいと思う。いつまで続けるのかなと思うこともあるけど(笑)」。昨年、テレビや映画などの仕事のために事務所に入り、初めてマネジャーがついた。「思っていれば自分にしかできない役がくる」。そう信じていたら『Fuller House』のオーディションに受かり、テレビ出演も果たした。これからも、自分の能力と可能性を信じ、自分自身を超え続けていくことが目標だ。

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