長崎県佐世保市内の日本遺産構成資産や景勝地を巡る「SASEBOクルーズバス海風」で、埼玉出身の女性ガイド、富永美知代さん(51)は移住者目線で魅力を紹介している。人のよさ、開放的な土地柄、おいしい食材、景色…。「地元の人が気付かない素晴らしさを伝えたい」と意気込んでいる。
旅行の企画をする仕事に就こうと、東京都内の専門学校に進んだ。ホテルや実家が経営する小売店で勤務。2003年の基裕さん(50)との結婚を機に退職した。
基裕さんの定年後は海の近くで暮らしたい、と夫婦で考えていた。港町が点在し、時間がゆっくり過ぎる、神奈川県の三浦半島がお気に入りの場所だった。11年秋に知人から「長崎県の雰囲気は三浦半島と似ている」と教えてもらった。
移住先の候補として12年の2月に佐世保市を訪れた。スーパーで品ぞろえや鮮度、金額を確認。立ち寄ったすし店では、店主がお薦めの観光地を教えてくれた。信号が押しボタン式だと気付かずに待っていると、通りすがりの人がさりげなく押してくれた。住民の人柄にほれ、移住を決意。九十九島が見える高台に移り住んだ。
15年秋に海風のガイド募集を知った。未経験だったが「観光に関わる仕事をしたい」という気持ちが再燃。研修を経てガイドになった。
海風は木曜を除き、1日3コース(各1時間40分)を運行する。富永さんは月に6日程度、バスに乗って案内する。「佐世保の人はおおらかで食べ物は豊富」「方言は、標準語に比べ柔らかい感じ」…。観光施設の説明の合間には、暮らしてみて強く感じる魅力を伝えている。
「『乗ってよかった』と思ってもらえたら、また佐世保に来てもらう動機につながる。魅力が広がるきっかけにしたい」。こう考え、マイクを握る。
移住者目線で魅力紹介 「クルーズバス海風」ガイド 富永美知代さん(埼玉出身)
- Published
- 2019/01/29 16:00 (JST)
- Updated
- 2019/01/30 00:20 (JST)
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