「本当に私でいいの」 東京国際キルトフェスで最優秀賞

 国内外から寄せられた優れたキルト作品が並ぶ「東京国際キルトフェスティバル」。その開催に合わせて行われる国内最大級のキルトコンテストで、横浜市港南区在住の三島仁美さん(61)が、最優秀賞に当たる「日本キルト大賞」に輝いた。

 応募総数1260点の頂点に選ばれた作品は「朱の慶(よろこ)び」。さまざまな柄や濃淡の赤い和布を、丹念につなぎ合わせた色鮮やかなキルト。布の裏側から詰め物をして立体感を出すトラプントなど、高度で多様な技法が盛り込まれている。

 「受賞の連絡を受けたときは『本当に私でいいの』と信じられなかった。還暦を無事に迎えられた感謝の思いを込めたキルト。着なくなった着物や、傷んでしまったお宮参りの着物なども使った」と三島さん。

 子どもに手が掛からなくなり、自分のために何かしたい、とキルトを始めて18年。「これからも、着物ならではの光沢や美しい色を生かした作品を作っていきたい」と笑顔を見せた。

 県内からは同コンテストの「和の部門」1位に、岡村智子さん(44)=川崎市中原区=が選ばれた。

 同フェスティバルは東京ドーム(東京都文京区)で30日まで開催。午前9時半から午後5時半まで。入場料は一般2100円。問い合わせは東京ドームシティわくわくダイヤル03(5800)9999。

「日本キルト大賞」の受賞作と三島仁美さん=東京ドーム

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