南極から相模原へ熱血指導 新井先生、教え子にライブ授業

 国立極地研究所(極地研)の第60次南極地域観測隊に同行して昭和基地に滞在している相模女子大高等部(相模原市南区文京、竹下昌之校長)の新井啓太教諭(34)が29日、南極と同大をライブの衛星回線で結ぶ「南極授業」を行った。新井教諭は「南極に来ると世界は広いと感じる。みなさんも広い視野で未来を考えてほしい」と生徒らメッセージを送った。

 集まった中学部や高等部の生徒ら約200人がホールの大画面に向かって「新井先生」と呼び掛けた。画面が昭和基地の食堂で手を振る新井教諭を映し出すと「わーっ」と生徒から声が上がった。

 外気温はマイナス0・1度だが風速が20・5メートルと強く、屋外からの中継予定を屋内の食堂からに切り替えた。新井教諭が防寒着を着込んで屋外に短時間出ると「すごく風が強く飛ばされそうです」と厳しい南極の気象を生で伝えた。生徒らは4グループに分かれ、南極をイメージした絵を描くパフォーマンスを披露。「世界の最果てを未来の中心へ」などとメッセージを書き「南極観測隊のみなさん、頑張ってください」とエールを送った。

 新井教諭は極地研職員の講演を聴いたのをきっかけに教員南極派遣プログラムに興味を抱き、昨年11月25日に成田空港を出発。オーストラリアから南極観測船「しらせ」に乗船して12月22日に昭和基地に到着した。3月23日帰国の予定。 

昭和基地の外に出て「飛ばされそうな風です」と話す新井教諭の様子に見入る相模女子大中学部・高等部の生徒ら=相模原市南区文京の相模女子大

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