クルーズ船寄港地の課題解決 九州7市連携協定

 クルーズ船が寄港する佐世保市など九州・山口の7市は30日、各寄港地が抱える課題に連携して取り組む協定を締結した。クルーズ客向け観光バスによる交通渋滞などこれまで個別に対応してきた課題に対しノウハウを共有。効率的な課題解決と寄港地観光の振興を目指す。
 福岡市が呼び掛け、佐世保市のほか、▽北九州市▽山口県下関市▽熊本県八代市▽大分県別府市▽宮崎県日南市が応じた。
 寄港地では観光バスによる交通混雑に加え、訪問地の偏り、市内での消費喚起といった課題があるという。協定は、福岡市が開発した、衛星利用測位システム(GPS)端末を活用し観光バスの訪問地分散を促すシステムの提供や、寄港地の魅力向上に連携して取り組むことを盛り込んだ。システムは佐世保市も導入に向け検討している。
 協定締結は福岡市で開かれたクルーズ船社や自治体担当者が集まる会議で発表。福岡市の高島宗一郎市長は「連携して課題を解決しクルーズという市場の持続可能な発展につなげ、各寄港地の魅力を生かした広域観光にも取り組みたい」と述べた。佐世保市の朝長則男市長は港の整備が進んでいることを挙げ「(寄港回数が多く)課題の先進地でもある福岡を手本にしながら対応を進めたい」とした。

連携協定を締結した朝長市長(左)ら7市の市長、副市長=福岡市中央区、アクロス福岡

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