【平成の長崎】核廃絶署名100万人 高校生実行委 発足13年目で到達 平成25(2013)年

 核兵器廃絶を目指して国内外で署名を集めている高校生1万人署名活動実行委は8月11日、長崎市内で署名集約集会を開き、2,001年からの累計が100万人を達成したと発表した。そのうちこの1年間に集めた署名は、17日にスイス・ジュネーブの国連欧州本部に向け出発する高校生平和大使に託した。
 同実行委は昨年8月以降、累計100万人の達成を目標に活動。高校生平和大使に12都道県から過去最多の20人を選び、署名を集めたり、海外の学生と交流したりして活動を国内外に広げていた。
 1年間で集めた署名数は過去最多の19万5704人分(国内18万5701人、国外1万3人)で、累計は104万1679人分に上った。署名数が発表されるまで、祈るように手を合わせていたメンバーからは拍手が起こり、涙を流して喜ぶメンバーもいた。
 平和大使の角田(すみだ)大河君(18)=県立佐世保西高3年=は「署名にはたくさんの人の思いが込められている。核廃絶の思いをしっかり伝えてきたい」と決意を述べた。
 この集会後、活動の主軸は2年生に移る。高校入学後から続けてきた宮本佳奈さん(17)=活水高3年=は声を詰まらせながら「活動を批判されてつらいこともあったけれど、19万人分の署名を集められたことは誇り」と語り、達成感をにじませた。
 同実行委の責任者、平野伸人さん(66)は「100万人の達成は核兵器廃絶の輪が大きくなった結果。若い人の運動をさらに広げていきたい」と話した。
(平成25年8月13日付長崎新聞より)
 ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

累計100万人の署名を集めた実行委のメンバー=長崎市筑後町、県教育文化会館

© 株式会社長崎新聞社