入江崎水処理センター再整備 AR活用した学習も 川崎で完成式典

 老朽化に伴う再整備が進められてきた川崎市の入江崎水処理センター(川崎区)の完成式典が30日、現地で開かれた。4月にオープンする広報施設も公開され、愛称が「ワクワクアクア」に決まったことが報告された。

 広報施設は再整備した沈砂池管理棟に新設した。主に小学生向けの学習や市民の見学、国内外からの視察に対応する。

 拡張現実(AR)を活用した4階のバーチャル体験展示室では、A4サイズのタブレット端末を用意。市のパネル地図にタブレットをかざすと上下水道の位置がひと目で分かり、自然界や市内の上下水道を巡る「水の旅」も体験することができる。大雨時に一時的に雨水をためる「貯留管」内部をARで体感できるコーナーも設けた。

 2階にある水質試験室は、下水処理で活用する微生物を顕微鏡で観察できる。微生物の様子は電子モニターに映し出され、複数の人が同時に見ることができる。

 広報施設の愛称は、市内122校の小学校から110点の応募があった。採用された市立宮前平小学校4年生の伊藤槙凜(まり)さんには、福田紀彦市長から表彰状が贈られた。

タブレット端末でARを体験し、水の循環を学ぶ式典参加者=川崎市川崎区の入江崎水処理センター広報施設「ワクワクアクア」

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