3月までに改修着工 黒島天主堂 随意契約で業者決定 佐世保

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「黒島の集落」(佐世保市)にある黒島天主堂の改修工事について、随意契約で請負業者が決まり、3月までに着工することが31日、分かった。工事を巡っては、入札の不調が続き、業者選定の見通しが立っていなかった。
 建物の耐震化などが目的で、カトリック長崎大司教区が発注。総事業費は約5億3千万円で国県市などが約9割を補助する。
 天主堂は2月3日まで公開。その後、工事を始め、2020年度中に完了する。工事期間中は見学台を設けるなどして、一部を公開する予定。
 工事は昨年11月に開始し、20年10月末に完了する計画だった。しかし、特殊な技術が求められるほか、現場が離島で費用がかさむことなどから、2回の制限付き一般競争入札に参加する業者がおらず、着工が遅れていた。このため、入札による業者選定は見送り、30日に準大手ゼネコンと随意契約を結んだ。
 市教委文化財課は「特殊な工事を見学できることを観光客などに情報提供したい」としている。

耐震化のため改修される黒島天主堂=佐世保市

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