僕のマリ「いかれた慕情」- 「ドラマのような人生」なんて特別なことじゃない

「ドラマのような人生」なんて特別なことじゃない

そもそもどんなひとの人生もドラマのような出会いや出来事があるのは当たり前でそれを誰かに話したり、作品として発表することによって知らない誰かの人生に関わったり、何らかの感情を生み出すことができるのが作家の素晴らしさでそれこそが特別に尊いことだとおもう。作家・僕のマリさんによる本作『いかれた慕情』は彼女の人生を、まるで親しい友達と誰もいない放課後の教室でこっそり話すときとも、夜中の繁華街でたまたま意気投合した魅力的な女の子と朝方のファミレスで話すときともとれる不思議な距離感で淡々とつづられている。読み終えたとき、人に教えちゃいけない秘密をわたしだけが教えられたように誇らしく、あまりに素敵な文章なので羨ましかった。※2/2(火)に阿佐ヶ谷ロフトBARスペースにて僕のマリさんが一日店長を務める「スナック マリ」が催される。きっと特別な夜になるので、お誘い合わせのうえ是非お越しください。(阿佐ヶ谷ロフトA:田中萌)

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