10nk YOU!!、特撮ソング/アニソンシンガー高橋秀幸、デビュー10周年ワンマン公演を実施。「炎神戦隊ゴーオンジャー」の仲間たちも駆けつけ、エンジン全開で大熱狂!!

2008年3月19日、高橋秀幸は「炎神戦隊ゴーオンジャー」の主題歌『炎神戦隊ゴーオンジャー』を歌い、華々しくデビューを飾った。当時でさえ34歳という年齢から遅咲きの貴公子と呼ばれていたが、才能に年齢は関係ない。間もなく11年目を迎える今も、高橋秀幸はアニソン/ゲーソン/特撮シーン/キッズソングの最前線で精力的に活動を続けている。彼の名前の後に幾つもの冠が増えたのも、これまでの歩みで培った勲章だ。

高橋秀幸は、アルバム『10nk YOU!〜KEEP "GO-ON!"〜』を手に、昨年秋より、自身のデビュー10周年を祝う全国ツアー「10nk YOU!」を続けてきた。そのツアーのファイナルが、デビュー10周年の記念日を間近に控えた1月27日(日)に、四谷Honey Burstで行われた。

ライブは、「探検ドリランド-1000年の真宝-」の主題歌『Go ahead!』からスタート。「ガンガンとガンバって行くとこまで行くぞ!」の歌詞のように、彼自身がこの10年間ガムシャラに走り続けてきた。何より、これからも未来へ繋げていくぞと宣言する想いを、拳を突き上げ歌う彼の姿から強く感じていた。後ろまでぎっしりの観客たちも、最初から拳を突き上げ高橋秀幸と一緒に歌唱。その姿は、共に想いを誓いあうようにも見えていた。

この日のライブは、高橋秀幸の代名詞とも言える「特撮/アニソン」を主軸に据えた構成で行われた。天高く突き上がる数多くのサイリウムの光をさらに大きく揺らすように、力強く歌いあげた「特命戦隊ゴーバスターズ」ナンバーの『モーフィン!ムービン!バスターズシップ!』。この曲の歌詞ではないが、今も高橋秀幸は新たな姿を更新し続けている。その姿を、この歌で。いや、この日のライブを通して、彼はファンたちへしっかりと映し出していった。

「この日もでっかい花火を打ち上げてしゃしゃしゃしゃー」など、気持ちが昂り過ぎて意味不明の言葉になるところも高橋秀幸らしさ。

序盤には、高橋秀幸の新たな表情となる、ハードエッジなサウンドの上で雄々しく熱唱するRPG「ゲシュタルト・オーディン」の主題歌『EX-FACTOR』を披露。「新たなはじまりへ」「希望 掲げて」など、常に前しか見ていない高橋秀幸らしい言葉も折り込んだこの曲。力強い言葉を激しい音に乗せ熱唱する姿に心が熱く揺さぶられた。フロアー中から昂る熱気へ、さらに熱を加えるように高らかに歌いあげた「宇宙戦隊キュウレンジャー」の挿入歌『ミラクルスター!シシレッドオリオン』でも、高橋秀幸が突き上げる拳に合わせ、会場中から絶叫と一緒に無数の拳が上がっていた。その姿を目にした彼の歌声のエンジンがさらに大きく唸りだしていたのも嬉しいじゃない。

普段は緊張しない高橋秀幸だが、「めっちゃ緊張してる」「でも、仲間がいるから大丈夫」とMCでも語っていたように、彼自身がこの日のライブに強い想いを込めていた。その心地好い緊張感を滾る力に変えようと、高橋秀幸は「限界のその先へ」と力強く「フューチャーカード バディファイト100」の主題歌『Beyond The Limits』を熱唱。フロアー中から沸き上がる熱い声。みずから、仲間たちを引き連れ「限界のその先へ」突き進む姿こそ、高橋秀幸のライブに似合う心のユニフォームだ。

和心も巧みに発揮。ウキウキとした笑顔が浮かび心を幸せな色に染め上げる「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の挿入歌であり、最強のニコニコポップチューン『高めろ!忍タリティ!!』。大きく手を振りながら、優しい歌声で観客たちをほっこりとした気持ちで包み込んだ「探検ドリランド -1000年の真宝-」の挿入歌『NEVER ENDING HERO』と、心を温かく包み込む歌たちも披露。中盤には、10周年ならではのコーナーを用意。それが…。

高橋秀幸がデビュー10周年ということは、「炎神戦隊ゴーオンジャー」も放送から10年を迎えたことになる。同じ10周年を祝福しようと、高橋秀幸は、この日のライブに2人のゲストを招いていた。それが、ゴーオンレッドの古原靖久とゴーオンブラックの海老澤健次。ここからは、3人で「ゴーオンジャートーク」がスタート。

高橋秀幸の衣装に突っ込む話などを受けて披露したのが、高橋秀幸の歌う『炎神戦隊ゴーオンジャー』に合わせ、ゴーオンブラックの海老澤健次による、当時のOP映像をそのまま1人振り付けでの再現。後半には古原靖久と海老澤健次も歌に参加し、豪華な歌の饗宴も。観客たちも、3人の煽りに合わせ、一緒に笑顔で楽しんでいた。

トークでは、10年ぶりに生まれた「神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX」の話から、10年前の「炎神戦隊ゴーオンジャー」の思い出話に花を咲かせていた。中には、番組の打ち上げでカラオケへ行ったときに『炎神戦隊ゴーオンジャー』を歌った古原靖久に場の空気を持っていかれ、当時のディレクターに「お前、完全に持っていかれてるやないけ!!」と言われた話などを披露。その間に間に、『GO! BABABANG! ゴーオンジャー!』や『KEEP"GO-ON!"』と、「炎神戦隊ゴーオンジャー」関連曲を挿入。3人で一緒に楽しく語り合い、歌う様を観てもわかるように、10年経っても変わらぬフレンドリーな関係なのが何とも微笑ましい。

ライブの後半は、ふたたび滾る熱を沸かすように「フューチャーカード バディファイト ハンドレッド」の挿入歌『GO GO BUDDY!!』からスタート。「GO!!GO!!GO!!」と高橋秀幸が歌うたびに、BUDDY(相棒)たちが一緒に声を上げ、拳を振り上げてゆく。続く「探検ドリランド-1000年の真宝-」の挿入歌『True Mission』では、歌謡ムード漂う楽曲に合わせ妖艶?な大人の香りも放つ歌声を魅力に、フロアー中の人たちの熱い視線をがっと集めていた。

MCでは、「昨日は緊張で夜しか寝れなかった」など、さりげなくギャグを織りまぜつつ、ライブはタオルナンバー「海賊戦隊ゴーカイジャー」の挿入歌『鋼の心ゴーカイシルバー』へ。凛々しい姿と歌声を魅力に、ときには豪快なステージングで観客たちを挑発する高橋秀幸。彼の熱い気持ちへ触発され、会場中の人たちが手にしたタオルを振りまわし、熱狂。フロアー中を埋めつくしたタオル揺れる光景の、なんと絶景だったことか。その熱気を受け継ぎながら、高橋秀幸はこう語りだした。

「この10年間いろんな場所で歌ってきました。これも『炎神戦隊ゴーオンジャー』が連れてきてくれたこと。これからも、一人でも歌を聞きたいという人がいるなら歌い続けていきたい」。

その意思を歌に込めるように届けたのが、RPG「ゲシュタルト・オーディン」ED主題歌として起用中のバラードナンバー『星のハナビラ』。美しくもどこか哀愁を抱いた楽曲を、遠くに輝く星空を見つめるように高橋秀幸は朗々と歌いあげてゆく。演奏が進むごと彼自身の感情が高まれば、抑揚を持った歌声に触れた観客たちも、胸をグッと揺らす温かい歌声に心をガッとつかまれていた。

その余韻を熱狂へ塗り替えるよう、最後に高橋秀幸は、観客たちの熱を求める感情をロックオンするように「特命戦隊ゴーバスターズ」の主題歌『バスターズ レディーゴー』を熱唱。特撮ソングの魅力は、自分もその歌を彩る主役になれること。一緒に歌へ参加し、掛け合いや合唱をしてゆく。その楽しさを思いきり味わいつくそうと、フロアー中の誰もが声を張り上げ、拳を突き上げ、高橋秀幸と一緒に、シャットダウンが完了するまで熱狂を味わい尽くしていった。

アンコールは、仲間たちと一緒に歌を掛け合い、明るく開放的な気持ちへ導くように「天装戦隊ゴセイジャー」より『ガッチャ☆ゴセイジャー』を歌唱。「空にかがやくレインボー」「レインボー」「正義の仲間 集合!」「集合!」など、胸をはしゃがせる楽曲へ誰もが飛び乗り、みなぎる勇気を解き放ちながら、この歌と一緒に気持ちを空へと駆けめぐらせていた。

舞台には、ふたたび古原靖久と海老澤健次が登場。しかも古原靖久はゴーオンレッドの恰好でステージに姿を現した。さらに、スペシャルゲストとして「炎神戦隊ゴーオンジャー」の中、害水大臣ケガレシア役を演じていた及川奈央も登壇。もちろん披露したのは、『炎神戦隊ゴーオンジャー』だ。舞台上もフロアーも、誰もがエンジン全開でGO-ON!!!!!。みんなで気持ちを一つにはしゃぐこの熱狂こそ戦隊ソングの醍醐味であり、高橋秀幸のハジけて満開なライブが生み出す楽しさだ。この熱を、これからもずっとずっと描き続けて欲しい。そんな余韻を身体中に抱きながら、ライブの幕は閉じていった。

高橋秀幸は、間もなく活動11年目へ突入する。彼自身は、何年経とうがずっとエンジン全開のまま、この楽しさを僕らに届けてくれるはずだ。その笑顔と元気を、また高橋秀幸のライブからがっつり受け取ろうじゃないか!! (TEXT:長澤智典)

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