工事中断、開所延期へ 平塚・県動物保護センター

 施設の老朽化に伴い建て替え工事中の神奈川県動物保護センター(平塚市)の開所が、当初予定していた4月よりも大きくずれ込む見通しであることが1日、分かった。工事の一部を請け負っていた建設業者が1月に事業を停止し工事が中断したためで、再開に向けた別の業者の選定作業に加え、新たな補正予算が生じる見込みだ。

 県動物保護センターは昨年1月に着工。今年3月には完成し、4月の開所を予定していた。

 県によると、事業停止した県西部の建設業者は、給排水設備などの衛生工事を請け負っていた。1月中旬に「現場に職人が来ていない」といった情報があり、状況を把握していたところ、同月末に建設業者が破産手続きに入ったことが分かったという。

 工事は中断しており、再開時期は未定。県営繕計画課は「(工事が)一度止まってしまったので、2018年度内に完成して4月にオープンの予定だったが、大変厳しい」と説明する。同センターを所管する県生活衛生部も、関係者に状況説明などを行っている。

 工事の再開には新たな業者の選定が必要で、県は「当初よりも(工事費用は)増えるのではないか」としている。関係者によると、今月13日に開会する県議会第1回定例会で県が議会側に説明し、補正予算案を提出するとみられる。

 同センターは動物愛護普及イベントなどを行う「ふれあいホール」など4室について、今年4月から5年間のネーミングライツ募集を行った。開所が延期になった場合、影響は広がりそうだ。県生活衛生部は「影響については調査中」としている。ただ、迷い犬の収容などの動物保護業務については、新施設の開所が遅れても影響はないという。

新築する県動物保護センターの完成予想図(県提供)

© 株式会社神奈川新聞社