コントも音楽も生放送の魅力が半端ない！ ザ・ドリフターズ「8時だョ！全員集合」

コントも音楽も生放送の魅力が半端ない！ ザ・ドリフターズ「8時だョ！全員集合」

「懐かしテレビほの字組～町あかりの昭和テレビ再発見！～」第十二回

1991（平成3）年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが、皆さまから「昭和のテレビ番組」のオススメ情報をいただき、実際に観てみよう！という連載企画「懐かしテレビほの字組」。今回選んだ番組は、TBS系の大人気バラエティー「8時だョ！全員集合」です。

例えばイベントのタイトルなどでも「○○○だョ！全員集合」の「○○○」の部分を変えてパロディしたものも多く見かけますし、若い世代も聞いたことのある番組ですよね。それでも、ザ・ドリフターズのメンバーに関しては、バラエティーやドラマ、映画などそれぞれ個人でのご活躍は知っていても、全員がそろった姿を見たことがない方は多いかもしれません。この番組、DVDボックスも出ていますが、もっと気楽にオンデマンド配信でも観られます！ というわけでランダムに選んだ、1978年5月27日放送回を観てみることにしました。

観始めると、まず「渋谷公会堂から生中継」の文字が。そっか！ この番組、公開生放送（時々、公開収録）なんですね。毎回このくらい大きなホールでやっていたのでしょうか？ 私は中・高学生の頃にCSのファミリー劇場で「ドリフの大爆笑」（1977年～／フジテレビ系）の再放送にハマってよく観ていましたが、そちらは完全にスタジオでの収録番組で、後からかぶせたと思われる笑い声が印象的（それもまた味があって好きなのですが…）。でも、「全員集合」はその逆で、子どもたちのナチュラルで素直な笑い声やツッコミの声がたくさん聞こえてきます。とてもカワイイ！ こりゃあ楽しい！ この公開生放送って、はがきとかで応募して当たると行けるんですかね。行ったことあるよ～っていう方いますか？ 実際どうだったのか聞いてみたいなあ。

とにかくセットが大きくて立派！ まるで忍者屋敷かのようにいろんな仕掛けがついていて迫力満点です。そして一番観たかったのが、このセットの裏側！ TBSの名曲特集番組だと、セットが回転してバンドが出てきて歌手のステージが始まる、「全員集合」ならではの映像がよく出てきます。すごく強引だな…と思っていましたが、コントからの流れで観るととてもスムーズで、生放送らしいリズムの良さとドキドキ感があって面白いです。

なんとなく選んだ放送回でしたが、この日はなんと橋幸夫さんが自身の名曲「股旅’78」を熱唱。ヤッタ～！ これが観られただけでも大満足です…。三度笠をかぶり、刀を振り回してはいながらも、広がったボトムスと革靴を履いており、途中のポーズなども映画「サタデー・ナイト・フィーバー」を意識したかのような（？）78年らしい演出になっています。うう～！ 皆さんにも観てほしい～！ ディスコと股旅のミックスという挑戦的な楽曲、会場にいた子どもたちはどんな気持ちで聴いていたんでしょう？ シビれるゥ！

ちなみに今回のゲストは橋幸夫、小柳ルミ子、西川峰子、石野真子、トライアングル、アパッチ（敬称略）。サイコ～～～!!（笑）。なぜだかこの頃、トライアングルとアパッチが準レギュラーくらいのペースで出ていたんですね。コントもできる大人気3人グループの先輩、キャンディーズがこの年の4月に卒業していますし、「目指せ、キャンディーズ！」という狙いもあったのでしょうか？

この回は、そんな名歌手たちによる「少年少女合唱団」も参加するコーナーもありました。早口言葉のコーナーとして有名ですよね。とにかくみんな歌がうまいです…。「オーラ・リー」をアカペラで歌っていたのが、途中からバンドが入ってハネたリズムになるアレンジがカッコよすぎ！ さすがミュージシャンのザ・ドリフターズだけあって、コントの中にも音楽があふれていて本当に楽しい！ これも子どもたちが夢中になった理由の一つなのだと思います。最後のマット運動のコーナーでさえ、BGMを奏でているバンドのさりげない生演奏がめちゃカッコいいです。十分、大人も楽しめちゃいます。

私が小学生の頃は「笑う犬」シリーズ（1998年～／フジテレビ系）や「はねるのトびら」（2001年～／フジテレビ系）を楽しく観ていましたが、これらは収録コントですし、どちらかというと「ドリフの大爆笑」と同じジャンルでしょうかね。毎週生放送で、広いホールでお客さんを入れてのコント番組を16年も続けるのがどれだけ大変なことか…。さらにその苦労を感じさせないのも本当にすごいことですよね…。

さて！ こちらの連載では、読者の皆さまからオススメの「昭和のテレビ番組」を引き続き大募集しています。現在でもDVDや再放送、動画配信サイトなどで観られる番組を教えていただけますと幸いです！ よろしくネ～。