洗った後のお湯を見てびっくり!自分で簡単にできるダウンの洗濯方法 冬の防寒着の定番の『ダウンウェア』。寒い時期は、山でも街でも大活躍。でも意外と見落としがちなのが、ダウンの手入れ。専門の業者に出さないといけないって思っていませんか?実はものによっては自宅で洗濯できるんです。今回は秋冬に活躍したダウンを来シーズンも気持ちよく使うためのお手入れ方法を解説。ちゃんと洗っておかないと実はダウンって結構汚れているんです・・・。

そのダウン洗わないと汚れてますよ!!

写真は2年間、街やキャンプで着たダウンを洗った後のお湯。ハッキリと違いがわかるくらい、お湯が汚れています。

汚れの正体は「皮脂」や「ホコリ」。特に袖や襟の部分は直接肌に触れやすいため、汚れが目立つ部分です。

秋冬のアウトドアシーンで欠かせないダウン製品。寒い時期は毎日のように着ているのに、洗濯したことがないという人もいるのではないでしょうか。

汚れ以外にも、影響がでる?

ダウン製品の保温力は、ロフトと呼ばれる「膨らみ」によって維持されています。ダウンの膨らみ内に暖かい空気の層ができることにより、寒さからあなたを守ってくれます。

しかし汗や皮脂などの汚れによりダウンの膨らみが弱くなり、結果的に保温力が下がってしまうことも。

ダウンは自宅で洗えるって知ってる?

「ちょっと汚れてしまったかな?」と思っても、頻繁にクリーニングに出すとクリーニング代が気になってためらってしまう、という人も。しかし素材にもよりますが、ダウンは自宅で洗濯をすることができるんです!

クリーニングに出すと平均2,000円~3,000円。一方、自宅で洗濯をした場合、専用洗剤を用意して自分で洗う手間は増えますが、洗剤一本用意すれば何度も洗濯をすることができるので、一回あたりは数百円程度

ダウン洗いはたったの3ステップ!

ダウン製品の洗濯は難しそうに思えるかもしれませんが、いくつかの注意事項を守れば大丈夫。簡単に洗濯することができるので、ぜひやってみてください。

基本的な手順は普通の洗濯物と同じ

ダウンはデリケートな製品ですが、基本的には普通の衣類と同じ流れで洗濯可能。【1】手洗い【2】すすぎ・脱水【3】乾燥の順で行います。

洗濯前に必ず”洗えるか”チェックしよう

洗濯を始める前に、必ず洗濯タグを確認しましょう。「洗濯機マーク」「手洗いマーク」などがあれば自分で洗濯できますが、表示がない場合はクリーニングに出す必要があります。また、洗濯できない生地(レザーなど)が使われていないかも確認しましょう。

それでは実際の手順を見ていきます。

【1】手洗いは”優しく・すばやく”

通常の衣類と同様に、まず最初にダウンについた汚れを落とします。ダウンを傷めないように、洗濯機の「ドライ」モードなどで洗うこともできますが、基本的には手洗いがおすすめです。
今回は、お風呂の浴槽で手洗いをする方法で説明します。
ポイント
①”押す”ようにして手洗い
②ダウン専用の洗剤の使用をおすすめ
③長く洗えばいいというものではない。

①気になるところは事前に部分洗い

襟や袖など特に汚れが気になるところがある場合は、事前にスポンジを使って、トントンと軽く叩くように洗って汚れを落としておきましょう。

②浴槽にぬるま湯をためる

浴槽にお湯を貯めて洗います。適温は製品によって異なりますので、洗濯タグで確認してください。
通常の洗濯洗剤だとダウンの油分を奪ってしまい保温性が失われてしまうことがあるため、ダウン専用洗剤がおすすめ。今回はモンベルのO.Dダウンクリ-ナーを使用。

③ダウンを洗う時は優しく手洗い

ダウンを傷めないように、やさしく手洗い。最初のうちはダウンが水に沈みにくいですが、少しずつ押し洗いをしながらお湯につけていきます。

全体をお湯につけて、20~30回程度やさしく押し洗いをします。しっかりと汚れを落としたい!と思うほど強く洗いがちですが、強すぎるとダウンが痛む原因に。ダウンが痛んでしまうと膨らみが低下するので、”やさしく”を意識しましょう。

洗濯の前後で比較すると、洗濯後はかなり水が汚れています。
実際汚れを目の当たりにすると「こんなにも汚れているものを着ていたのか・・・。」という悲しい気持ちになりました。

【2】”すすぎ”と”脱水”は丁寧に

ダウンの汚れを綺麗に落としたら、次はすすぎと脱水。この工程を丁寧に行わないとダウンが膨らみにくくなったり、中綿が偏ったりしてしまい保温性が低下してしまうので、注意が必要です。
ポイント
①洗剤が残らないように、すすぎは徹底的に
②絞るのはNG

④洗剤が残らないようにすすぎはしっかり

貯めた水につけて優しく押したり、シャワーですすぎを行います。洗剤が残っていると、ダウンの膨らみが低下してしまうので、完全に泡が出なくなるまでしっかりすすぐことが大切。

⑤脱水はタオルドライ

しっかりと洗剤をすすいだら、タオルの上に広げて吸水します。ダウンを絞ると中綿が痛んだり偏ったりしてしまうので、タオルで優しく水分を拭き取ってあげましょう。

【3】乾燥で”ふわっと”仕上げよう

タオルで大まかな水分が取ったら、最後に干して乾かしていきます。しっかりと乾かして、ダウンのふんわり感を取り戻しましょう。
ポイント
①直射日光はさける
②乾燥機を使うとふっくら仕上がる
③テニスボールを使うのもおすすめ

⑥直射日光をさけ、風通しの良い場所に干す

(※撮影時は天候が曇りのため、ベランダで干していました。ダウンを干す際は、直射日光を避けられる場所を選んでください。)

干す時は、肩部に水分の重さが集中します。そのため、少しでも重さを分散できるように太めのハンガーの使用がおすすめ

乾燥が不十分だとダウンが劣化したり臭いが発生するので、しっかりと乾かしてください。

⑦仕上げに乾燥機を使おう

撮影:YAMA HACK編集部
水分が滴りきった後や乾ききった後の仕上げとして、乾燥機を使うとダウンがふっくら仕上がります。乾燥機を使う際は、変色をさけるため低中温で乾燥させてください。一気に長時間行わず、10分~15分など少しずつ様子を見ながら行うのがおすすめ。
乾燥中にファスナーと乾燥機が当たってファスナーが痛むこともあるので、気になる方はダウンを裏返しにして内側にファスナーがくるようにしてから、乾燥させてみてください。

また、テニスボールを2~3個入れると、ダウンとぶつかって空気を含むのでよりふわっと仕上がります。

ダウンはハンガーにかけておこう

ダウンを長期間保管する場合、畳んだ状態で袋の中で保管するのはやめましょう。長時間圧縮された状態が続くと、ダウンが膨らみにくくなってしまいます。ホコリがかからないように不織布カバーをかけ、風通りのよい場所に吊して保管してください。また、湿気にも注意してください。

シーズン終わりにはダウンを洗ってあげよう!

(選択後のダウンの方がしっかりと膨らんでいる)

寒い季節に大活躍のダウンは、意外と汚れているんです。肌着のように毎回ではないにしても、シーズンが終わる頃には必ず洗ってあげましょう。

自分でダウンを洗うことで愛着もわきますし、清潔でふわっとしたダウンを着る方が気持ちも良いものです。

どうしても手洗いが不安な場合は、近くのクリーニング屋さんに行って洗ってもらうのもOK。

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