【厚木乳児虐待死】当時未成年の母親、傷害致死で書類送検

 神奈川県厚木市の自宅で2016年12月、生後1カ月の男児が脳に大けがを負い、半年後に死亡した事件で、県警捜査1課と厚木署は4日、傷害致死の疑いで、当時未成年だった無職の母親(21)=同市=を書類送検した。捜査関係者によると、母親は同容疑で逮捕された父親(26)=傷害罪で起訴=による暴行を目撃したが、事実上黙認した疑いがあるという。

 書類送検容疑は、父親と共謀して16年12月中旬ごろ、同市の自宅アパートで、長男の頭を激しく揺さぶるなどの暴行を加え、外傷性脳損傷による脳機能障害を負わせ、17年6月13日に生後7カ月で死亡させた、としている。県警は認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、16年12月当時は長男と父母の3人暮らしだった。県警は複数の医師の診断結果などから、父親が一定の時間継続して長男を揺さぶったとみて、その場にいた母親からも任意で事情を聴いていた。暴行を制止した形跡は確認されなかったという。

 横浜地検小田原支部は先月30日、父親を傷害罪で起訴した。地検幹部は、長男の受傷時期と死亡までに半年の隔たりがある点などを踏まえ、揺さぶり行為と死の因果関係を証明できるだけの証拠が勾留期限までにそろわなかったとした。

神奈川県警本部

© 株式会社神奈川新聞社