知事選、黒岩氏3選出馬へ 「神奈川モデル」を強化

 任期満了に伴う知事選(3月21日告示、4月7日投開票)で、黒岩祐治知事(64)が3選を目指し、無所属での立候補を近く表明する見通しであることが4日、関係者への取材で分かった。6日にも表明する方向で最終調整している。告示まで2カ月を切る中、現職の出処進退が焦点だった。

 複数の関係者によると、後援会幹部の出馬要請に「重く受け止め、前向きに考えさせていただく」などと応じたという。3期目に向け、国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」の推進をはじめ、「いのち輝く」をキーワードに取り組んできた「神奈川モデル」の強化などを打ち出すとの見方が大勢だ。

 知事は昨秋以降、企業誘致や「未病」改善の推進といった看板政策で目標を達成。今年9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)や来年の東京五輪・パラリンピックの地元開催を見据え、政財界では3選出馬が確実視されてきた。

 過去2回の知事選では、自民、民主(当時)、公明の各党県組織などの推薦を受けて当選。一騎打ちとなった前回は219万票を獲得し、共産党推薦の新人に圧勝した。3選出馬すれば今回も国政与野党の「相乗り」による支援体制となりそうだ。

 知事はフジテレビの元キャスターで、2011年の知事選で初当選し現在2期目。就任後は太陽光発電の普及をはじめ、最先端医療産業の創出で超高齢社会を乗り越えるヘルスケア・ニューフロンティア政策、国家戦略特区の指定、人生100歳時代の健康寿命延伸策などに力を入れてきた。

 今回の知事選では、新人で市民団体代表の岸牧子氏(62)が無所属での出馬を表明している。

黒岩祐治氏

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