手軽な食材で健康長寿 横浜出身「トマト博士」が書籍出版

「間違いだらけの栄養学」を出版した東海大農学部教授の永井さん。「手軽な食材を上手に摂取して生活習慣病や老化を防いで」と呼び掛けている(永井さん提供)

 「トマト博士」として知られる横浜市出身の東海大学農学部教授・永井竜児さん(52)が「間違いだらけの栄養学 『食べ物』と『食べ方』で“健康長寿”になる新常識!」を出版した。トマトなど手軽な食材を上手に摂取することで病気や老化を防ぐ方法を分かりやすく解説している。

 永井さんは横浜市立港中学、県立氷取沢(現横浜氷取沢)高校出身。2007年にトマトの新機能性成分「エスクレオサイドA」に動脈硬化の抑制効果があることを世界で初めて発見した。「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)などにも出演し、食材や食事の知恵を紹介してきた。

 新型コロナウイルスを巡り命や健康への関心が高まる中で「健康で長生きするためには何をなすべきか」を、これまでの研究や調査を基にまとめたという。

 糖尿病の恐ろしさに「体が『ナメクジに塩』と同じ状態になる」との例えを引用するなど、分かりやすい説明を列挙した。生活習慣病予防で有名な「リコピン」が赤や黄色で目立つのに対し、「エスクレオサイドAは無色透明なので長年発見されなかった」といった研究秘話も紹介。管理栄養士考案の栄養成分を壊さない料理を集めた「トマトレシピ」、「1日2食を3食に増やしたのはエジソン」といった豆知識を紹介するコラム「栄養学のウソ・ホント」なども掲載した。

 永井さんは「日本国内では、生活習慣病とされる脳梗塞と心疾患だけで年間約26万人もの方々が亡くなっている。その予防には経済的にも肉体的にも苦労せず、そして長く続けられる方法が大切。健康で長生きするためのノウハウをこの一冊にまとめました」とコメントしている。

 辰巳出版の発行で253ページ。1540円(税込み)。

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