三菱 デリカ ファンミーティングで新型デリカD:5の魅力を知る!話題の“縦型ライト”採用の理由も判明!?

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング

唯一無二な「ミニバンなのに本格ヨンク」なデリカD:5

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2019年1月19日、新型デリカD:5をより深く知ってもらう場として、千葉県袖ヶ浦市の「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」で「デリカファンミーティング@袖ヶ浦」が開催されました。

1968年に初代が小型キャブオーバー商用トラック/バンとして誕生してから、昨年で50周年を迎えた三菱 デリカ。5代目となる現行モデル「デリカD:5」は2005年にデビューしています。昨年秋に大胆なフロントマスクを得て登場した新型デリカD:5も大きな話題になりましたよね。

デリカD:5の特徴は、世界でも類を見ない「3列目までしっかりと作りこまれたミニバンながらもパジェロに匹敵する悪路性能を持つ」オールラウンダーSUVであるということ。「唯一無二」と言えるその存在から、多くのファンを魅了しています。「4WDとしての性能がとても高いのに、人も荷物もしっかり積める本格的なミニバンなので、他に選択肢がない」と、デリカD:5からデリカD:5に再び買い換えるオーナーも多いほどです。

そこで三菱では、デリカ、そしてデリカD:5を愛してやまないオーナーに向けて、ラフロード試乗会雲海を見に行くツアーなどを日本各地で行うなど、デリカの性能やキャラクターを活かしたイベントを数多く開催しています。デリカは確かに普通のミニバンのメインストリームとは少し立ち位置が違います。だからこそ、三菱はデリカのファンを大切にしているのです。

463組1172名のデリカファンが集結!

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング
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素晴らしい晴天に恵まれた「デリカファンミーティング@袖ヶ浦」の会場には、次々とデリカD:5が来場。サーキットに至る道は渋滞が起きるほどでした。場内外の駐車場に並ぶクルマの多くはデリカD:5ですが、中には先代の「デリカスペースギア」、さらにその前、1BOXと4WDのよさを両方持つことで大人気となった「デリカスターワゴン」などの歴代デリカ、他にもGTOなどの三菱車の姿も見られました。

興味深かったのは、来場者にカップルや家族連れが多かったことでした。それは、463組1172名という来場者の数字からも伺うことができます。ファミリーカーとしての側面も持つデリカのファンミーティングならでは、と言えそうです。また、無骨なオーバーフェンダーを装着、リフトアップなどの改造が施されているデリカD:5が多いことも印象的でした。ミニバンのモディファイといえば、エアロパーツをつけて車高を低くするスタイルが主流だと思いますが、デリカは「真逆」。これは、デリカというクルマが本格的な4WDとして認められている証でもあります。

それにしても日本車の現行型で、しかも単一車種でこれほど多くの来場者を集められるのはスゴイことですよね。

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新型デリカの性能や仕上がりを感じられるプログラム

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2018年秋にビッグマイナーチェンジを発表し、いよいよ2019年2月から正式発売が予定されている新型デリカD:5は、大きく変わったフロントマスクや高級感が大幅に高まったインテリアを含め、静粛性や乗り心地も向上、パワートレーンも改良されるなど、実質的にはフルモデルチェンジと言っても良いほどに進化しました。もちろんデリカのアイデンティティである悪路走破性の高さはそのままです。

それを証明すべく、イベント会場には最大斜度45°の急坂登坂、20度の斜面を横切るキャンバー走行、階段昇降など、デリカD:5の性能を体感できるおなじみの「4WD登坂キット」が置かれ、多くの来場者が同乗体験を楽しんでいました。

筆者も同乗走行を体験しましたが、力強い性能や向上した静粛性を感じることができました。同乗した際、担当ドライバー氏に「以前のデリカD:5に比べるとどう変わりましたか」とお聞きしたところ、改良されたディーゼルエンジン、新たに採用された8速AT、電子制御4WDなどでさらに登坂性能が上がった、と語っていただきました。

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング
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また、サーキットのコースではプロドライバーによる同乗試乗、三菱車でパリ・ダカールラリーを優勝したラリードライバー、増岡浩氏によるデモランなど、新型デリカD:5の進化した安定した走行性能を体感できるプログラムが充実。サーキットをイベント会場に選んだことにも、新型デリカD:5の走りの良さへの自信が感じられました。

その他、場内には新型デリカD:5を自由に見学できるよう、全色並べられていました。ドアを開け車内に乗り込んで各部のチェックをするなど、新型デリカD:5にデリカオーナーも興味津々のご様子。また、愛嬌ある顔が可愛らしい初代デリカコーチや、パリ・ダカールラリーのサポートに使用されたデリカD:5の実車展示、デリカD:5向けのアフターパーツメーカー各社が持ち込んだデモカーも人気を博していました。

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング
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今度のデリカどうですか!? 来場者にズバリ直撃

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング
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そこで、来場者に新型デリカD:5についてどう思うかをお聞きしました。最初にインタビューに答えていただいたのは、デリカD:5のローデストでお越しの高久透さん。以前はランエボ(ランサーエボリューション)にお乗りだったそうです。スポーツモデルからハイトがあるミニバンに乗り換えてみた高久さん。デリカは思いのほか走りがしっかりしているとのこと。また新型デリカD:5は安定性の高さが良かった、と感想をお持ちでした。

もう1組は佐々木英明さん。クルマはデリカではなく、2015年のジープ レネゲードをお持ちです。ジープ レネゲードでキャンプに行くのですが荷物の積載力に不満があり、ミニバンかつ本格4WDのデリカD:5にご興味がおありとの由。新型はディーゼルなのにとても加速がいい、と感想を話してくださいました。

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驚くほど変わったフロントマスクには意味があった!

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イベントでは新型デリカD:5の開発に関わった商品企画の鴛海尚弥氏、デザインの松延浩昭氏、開発ドライバーの増岡浩氏によるトークショーも行われました。そこで、デザイン畑出身の筆者は、話題の大胆なフロントマスクの話やデザイン、そして新型デリカD:5の魅力について、三菱自動車株式会社 デザイン本部 プロダクトデザイン部 プログラムデザインディレクター 松延浩昭氏にお話をお伺いしました。

遠藤イヅル(以下、遠藤):ここまで変化をつけたのは、かなりチャレンジングな試みだったかと思います。

松延浩昭氏(以下、松延):実はデリカは、モデルチェンジの度に大きな変化があります。変わるスパンが約10年と長いこともあり、時代に合ったデザインを採用しているのです。

遠藤:確かにデリカはスターワゴン、スペースギア、D:5と全く形が違いますね。でも、デリカのイメージはつながっています。

三菱 新型デリカD:5 URBAN GEAR グレード:G-Power package│ボディカラー:ウォームホワイトパール│シートカラー:ブラック本革シート│7人乗り仕様

松延:そうなのです。SUVの感覚を持った1BOX……大きなタイヤと大きなアプローチアングルを持つのに、居住性が高いボディが載っている。そして快適に移動できる。それがデリカというクルマ。ですので、この12年の間に時代が変わっても、デリカらしさをそのままで何をできるか、時代に合ったデリカとして、どういう機能を入れていくか、を考えました。それが今回のデリカD:5のモデルチェンジです。そのデリカD:5に三菱の統一したフロントデザインアイデンティティ“ダイナミック・シールド”を取り込んだ場合、デリカだったらどんなデザインにできるだろう?という答えがこのデザインなのです。

遠藤:縦型のヘッドライトを採用した理由はあるのですか?

三菱 新型デリカD:5 URBAN GEAR グレード:G-Power package│ボディカラー:ウォームホワイトパール│シートカラー:ブラック本革シート│7人乗り仕様

松延:新型デリカD:5ではフロントオーバーハングが伸び、バンパー下部も歩行者との衝突時に人をすくい上げるようにバーが入っているため、前に突き出て下がっています。そこでボンネットを上に持ち上げることにしました。しかし、上に足すとフロントが重たくなる。そこでポジションランプを高い位置につけました。これは安全性のためでもあります。次にヘッドライトなのですが、大きなフロントに小さなヘッドライトではデリカらしさが減ってしまう。そこで、縦にヘッドライトを配置することにしました。クルマの幅いっぱいにヘッドライトがあることで、対向車からの車両(車幅)感覚が掴んでいただきやすくなる。こちらも安全性につながります。

遠藤:なるほど!デザイン性と機能性、安全性が備わっているということですね。これまでのデリカも機能がカタチになってきたように思います。そういう意味では、今度のデリカD:5も「正常進化」ですね!

松延:そうなのです。お客様には、実際に新しいデリカD:5に乗って、良さを実感していただければ、カタチに関する話題からムーブメントが変わっていくと思います。

遠藤:確かに、さらに良いクルマになっています。実際に見ると、とてもまとまりがいいです。個人的には、12年前の車体に見事に新しいマスクをつけたと思います。フロント全体にボリュームがあることで重心が移って、前に進むSUVらしい力強さも増していますよね。

なお、バンパー下部が下がっていてもアプローチアングルに大きな変化はなく、SUVらしい走破性は維持されているとのこと。デザインと機能性の高いバランスを保つご苦労が偲ばれます。

実は2005年にD:5が出た時も、スペースギアからの変化が大きかったためか“これはデリカじゃない”という意見もあったそうです。それは、まさしくデリカに対する期待の大きさの表れ。今回の新型デリカD:5は衝撃的なデザインですが、デリカは常に時代の要請に合わせて変わってきたことを考えると、デリカらしい変化なのだ、と思いました。

デリカの伝統はこれからも絶えることなく紡がれる

三菱 デリカ デリカ・ファンミーティング
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開発陣のお話を伺い、走行性能の高さを味わい、実車の車内外をじっくり見ることができた今回のデリカファンミーティング。確かにフルモデルチェンジに匹敵するほどの力作だと感じることができました。その変わりっぷりに多くの人がビックリした外観も「写真で見るよりもはるかにカッコイイ」という声も多く聞こえました。

クルマは時代の要請に合わせて変化をします。多くは、流れの中で上質になり、洗練されていきます。その一方で男らしくタフなイメージのあるクルマは、無骨さや道具感が求められます。それを両方盛り込むのはとても難しいことだと思います。ミニバンなのにタフな4WDというデリカD:5ではなおさらのこと。でも新型デリカD:5は、品質高く高級感あふれるミニバンに進化を遂げつつ、「道無き道を行く4WDらしさ」を見事に残していました。デリカの伝統、本質はしっかりと紡がれていたのです。来場した人の多くは、きっとそれをしっかり感じたことでしょう。

[筆者/撮影:遠藤 イヅル]

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