そばの力で福島発信 「蕎力隊」7日に誕生

 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け、そばで福島をPRする組織が誕生する。そば愛好家らでつくる全麺協の県内メンバー有志が「蕎力(きょうりょく)隊」として、県内のホストタウンやキャンプ地を訪れる海外の選手団や関係者向けに、そばの振る舞いやそば打ち体験などのイベントを催す。

 七日に川俣町中央公民館で催される第五回「うつくしま蕎麦王国フォーラム」で結成を正式に発表する。

 県オリンピック・パラリンピック推進室によると、県内ではホストタウンに「復興ありがとうホストタウン」を含め十一自治体が登録されており、事前キャンプ地が四カ所ある。蕎力隊は関係自治体と協議を進め、すべての場所でイベント開催を目指す。現段階で、ネパールの陸上競技のホストタウンとなっている田村市と協議を進めている。

 地元と連携して特産品をPRし、日本酒関係などの団体とイベントを共催することも検討している。

 蕎力会の発足を呼び掛けたのは、うつくしま蕎麦王国協議会の会長で全麺協理事を務める菅野伸是(のぶゆき)さん(68)=いわき市在住=。県警警察官時代から、得意のそば打ちで住民と交流してきた他、退職後も東日本大震災の被災者を慰問するなどの活動を続けている。

 菅野さんによると、全麺協は県内に約二十の関連団体があり、すべてを合わせた会員数は約五百人に及ぶという。「五輪は福島のそばや魅力を世界に発信する絶好の機会。県内の五輪会場でもイベントが実現できれば」と意気込む。

 蕎力隊の活動は、材料費や交通費などをメンバーが負担するなどボランティア形式で実施する。「そばが打てなくても、活動に興味を持った人がいれば、共に取り組んでほしい」と参加を呼び掛けている。問い合わせは菅野さん 電話080(5577)3387へ。

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