料亭「春海」3月末閉店 92年の歴史に幕

 長崎市鍛冶屋町の料亭「春海」が3月末で閉店することが7日、分かった。老舗料亭が92年の歴史に幕を下ろすが、国登録有形文化財の建物は現在のまま残る形で検討しているという。
 春海は1927年創業。元は書院造りを基調とした1907年建築の個人邸宅で、創業後に数寄屋風の部屋を造築した。木造2階建て。2015年に国登録有形文化財となり、長崎市景観重要建造物にも指定された。歴史的な外観に加え、長崎名物の卓袱(しっぽく)料理が有名で、古くから政財界人にも親しまれてきた。
 昨年解体が決まった長崎市上西山町の国登録有形文化財の「富貴楼」に続き、また一つ老舗料亭のともしびが消える。

3月末で閉店する料亭「春海」=長崎市鍛冶屋町

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