宮ケ瀬遺体、殺人罪の被告に20年求刑 「トラブル隠蔽」

 知人女性=当時(50)=の首を絞め宮ケ瀬湖(神奈川県清川村)の橋上から投げ落として殺害したとして、殺人の罪に問われた無職の男(63)=横浜市磯子区=の裁判員裁判の論告求刑公判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であった。検察側は「巧妙で残忍な犯行だ」として懲役20年を求刑し、結審した。判決の言い渡しは14日。

 検察側は論告で、被告が女性との間でうその出資金を巡る金銭トラブルを抱えており、「都合の悪い状況を隠蔽(いんぺい)するために殺人という選択肢を選んだ」と指摘。「自己中心的かつ身勝手な行動で、動機に酌量の余地はない」と非難した。

 弁護側は「女性に金銭の返還を迫られ、とっさに犯行に及んだ」と事件の計画性を否定。謝罪し反省を深めているとして、情状酌量を求めた。

 起訴状によると、被告は昨年2月1日午後、三浦市の路上に止めた軽乗用車内で、女性の首を絞めた後、右足にコンクリートブロックをくくりつけて宮ケ瀬湖上の橋から落として殺害した、とされる。

横浜地裁

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