せんみ凧大空へ 厚木の小学生が卒業制作

 厚木市立玉川小学校(同市七沢)で8日、地域に伝わる「せんみ凧(だこ)」の凧揚げ大会があった。児童が地元保存会に習い、半年がかりで作り上げた。地域の伝統を知り、難しくとも諦めずに取り組むことを通じて人づくりにつなげようと、6年生の卒業制作として実施した。

 せんみ凧は幅約80センチ、長さ33センチ。セミをかたどり、竹ひごと和紙で作る。胴体を黄と紫、ピンク、羽を赤と白に塗り分ける。

 地元の「玉川せんみ凧保存会」(前場政行会長)によると、明治30年代に伊勢原市東大竹にある大宝寺の住職が考案。住職の友人の娘が厚木市七沢地区に嫁いだことで伝わった。

 玉川小で卒業制作として取り組むようになったのは06年度から。今年の6年生19人は昨年10月から、前場会長らに凧作りの指南を受けてきた。

 この日は完成した凧を持って校庭へ。うまく風をとらえて高く揚がると、子どもたちから歓声が上がった。小島彩華さん(11)は「竹を糸で結ぶのが難しかった。少し糸を伸ばして走ったらうまく揚がった」と笑みを浮かべた。

完成した「せんみ凧」を持つ子どもたち

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