JT跡地に道の駅を 商議所とJA、秦野市に要望

 秦野商工会議所と秦野市農業協同組合(JAはだの)は8日、5月末をめどに市外への移転が決まっている「日本たばこ産業安全性研究所」跡地(同市名古木(ながぬき)、敷地面積約1万9507平方メートル)の活用に向けた要望書を市に提出した。要望書では、国道246号と県道70号に接し、大山の登山口に近い跡地の交通利便性を評価、「道の駅」整備を提案している。

 日本たばこ産業(JT)によると、1973年設立の同研究所は老朽化により、19年5月末をめどに横浜市内にある同社の医薬探索研究所内に移る。建物、土地ともJTの所有だが、跡地利用は未定という。

 同商議所とJAはだのは要望書で、観光振興と地域活性化に生かすため、観光地総合案内やジビエ(野生鳥獣肉)レストランなどを備えた「道の駅」整備を提案した。同商議所の佐野友保会頭は「(秦野市、商議所、JAで)検討していただければありがたい。秦野の経済を考えれば観光ではないか」と指摘。JAはだのの山口政雄組合長は農産物直売所を例に出し「農家の所得向上に結びつくかが課題。生産性向上にもつなげたい」と期待した。

 面会した高橋昌和市長は「(商議所、JAと)連携する中で地域経済の活性化を考えていかなければならない。できれば3月議会でも相談し、いろんな視点で可能性を検討できればと思う」と話した。

跡地の活用について、市への要望を説明する(左から)山口組合長と佐野会頭=秦野市役所

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