【平成の長崎】長崎がんばらんば国体第10日 軟式野球成年 健闘4位 「強くなった証し」の悔しさ 平成26(2014)年

 無死満塁から始まる特別延長の八回。北海道の攻撃を1点でしのいで裏を迎えたが、打てなかった。3位決定戦に臨んだ軟式野球成年は1-2で惜敗。最終打者となった野村(親和銀行)は、一塁ベースに頭から突っ込んだまま、しばらく起き上がることができなかった。
 試合は長崎ペースで進んだ。二回、北田(同)の右中間を破る三塁打などで1死一、三塁とすると、「流れをつかむ」と打席に立った山口(三菱重工長崎)が先制の中前適時打。同点にされた後の五回から登板した今村(同)も、激しい雨でマウンドがぬかるむ中、七回まで無失点の好投を見せた。
 これに応えたいと、打線も毎回のように走者を出し続けた。六、七回は、いずれも1死満塁の好機をつくった。だが、あと1本が出なかった。
 7年前。日本一になるため、単独チームでの出場から、県選抜チームへ路線変更した。発足当初は入賞を知らないメンバーばかりだったが、昨年の東京国体で準V。自信がついた。三菱重工長崎と親和銀行の合同チームで臨んだ今回は、本気で日本一を狙っていた。
 「この悔しさが、強くなった証しかな」。戦い終えた選手たちを眺めながら、指揮を執る林田支援コーチ(親和銀行)は、こうつぶやいた。いつしか雨はやみ、日が差し込んでいた。
(平成26年10月22日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

【軟式野球成年3位決定戦、北海道-長崎】特別延長8回裏2死満塁、投ゴロを放った長崎の野村(親和銀行、左)が一塁に執念のヘッドスライディングを見せるもタッチアウト=平戸市総合運動公園ライフカントリー赤坂野球場

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