気象庁は12日、エルニーニョ監視速報を発表した。昨秋に発生したエルニーニョ現象が続いているとみられ、夏にかけてもエルニーニョ現象が続く可能性が高い。
1月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.7℃で基準値より高く、海洋と大気の状態からエルニーニョ現象が続いているとみられる。現在の太平洋赤道域では、東部の海面水温が平年より高い状態が弱まりつつある一方、貿易風も弱まり始めている。今後、貿易風の弱まりにより海洋表層の暖水が東進し、東部の海面水温が平年より高い状態を維持するように働くと考えられる。エルニーニョ予測モデルの結果も踏まえ、今後夏にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いと見込まれる。
エルニーニョ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。
なお、エルニーニョ発生時の夏(6~8月)の天候の特徴として、平均気温は西日本で低い傾向があり、北日本で平年並みか低い傾向があげられる。また、降水量は西日本の日本海側で多い傾向がみられる。