スールシャールはいかにしてユナイテッドの空気を変えたのか#1

オーレ・グンナ―・スールシャールは、マンチェスターユナイテッドの暫定監督として、最初の11試合でこれ以上ない好成績を収めることに成功した。 この後行われるパリ・サンジェルマンとの対戦は大きな注目を集めているが、もしチャンピオンズリーグでサプライズを起こせれば、モウリーニョに代わる新たな正式監督の座を得ることになるだろう。とはいえ8週間という短い期間でユナイテッドの空気を一変させたスールシャールは、実に見事だ。彼はいかにして本来あるべきチームの姿を取り戻したのだろうか。

その理由を英『BBC』はこう取り上げている。順番にみていこう。(6つある内の3つを今回は紹介)

①個人的に関わりを持つ

スールシャールはプレイヤーとしての、そしてその後のユナイテッドのコーチとしての14年間で彼自身小さなルーティンを確立していた。

彼の母国であるノルウェーに帰った時、彼はクラブのことで目一杯になっているクラブのスタッフのためにチョコレートバーを必ず買って帰ってくるという。

それを最初に受け取ったのはクラブの受付係である女性だったそうだが、それは何もとっぴな行動ではなく、彼にとってはそれが自然な行為なのだ。

スタッフにはこれがクラブが以前の形(サー・アレックスの黄金期)で再出発をしていこうという最初の兆候だったと感じているようだ。

②順序づけられた秩序とルーティン

サー・アレックス・ファーガソンが去ってからユナイテッドの監督になった者は、長く確立されてきたことの一部を変えることで効果を得ようとした。

デイビッド・モイーズは食事メニューからポテトフライをなくし、ルイス・ファン・ハールは夜のトレーニングセッションのために投光器を設置した。モウリーニョは毎週の記者会見の時間を短くしている。

記者会見ということでモウリーニョと比較をすれば、スールシャールは金曜日の8時30分に午前中の会見時間をキッチリと決めているという。会見というか、それはもはや雑談に近いのだが。

というのもそこで話す内容はモウリーニョのようなメディア必見のサイドショー的なものではない。

だが不思議と、スールシャールのその雑談の時間は長くつづくらしい。

彼がウッドワード会長から緊急の電話を受け取った時、まず初めに連絡したのはサー・アレックスの元アシスタント、マイク・フィーランだった。彼は大学でフットボールのコーチと授業のセッションを持っていたため、すぐには電話に出られなかったそうだが、スールシャールは何度も電話を入れたという。それはフィーランの意見が重要だということを彼は知っていたからだった。

③あらゆるセクションに働きかける

スールシャールは、オールド・トラフォードでのユニセフディナーでテーブルの周りを移動したり、トレーニングをしたり、雨の中で写真を撮るために多くの女の子と一緒にポーズをとったりして、クラブのあらゆるセクションと話をするようになったという。更には選手の両親とも会話を交わす徹底ぶり。

ある選手の親は、「フットボールの世界に彼よりもっといい人がいるのなら、会ってみたいものね」と語った。

アカデミーの選手にもよく働きかけているスールシャール

「彼は本当にアカデミーについて知識を持っているんだ」とクラブのレジェンドであるニッキー・バットは言う。

「彼は私の友人の一人だ。彼が戻ってきたとき、彼が言った最初のことの一つは、座って話をし、関係を築き、能力を持っている選手を集めなければならなかったということだった。」

後半に続く

ユナイテッドvsパリサンジェルマン 注目の一戦はこの後、朝方5時から!

スールシャール率いるユナイテッドとトゥヘル率いるパリの一戦。ユナイテッドは好調、対するパリはネイマールとカバーニを欠いた状況でこの試合に臨む。

英大手ブックメーカー188BETのオッズによるとユナイテッドが2.28倍に対してパリは3.15倍、ドロー決着が3.50倍とユナイテッド有利との予想がされているが果たしてどうなる。

注目の一戦はこの後、朝方5時キックオフだ。

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