ユニオンスクエア近くのアパートの一室に、ストローラーを押したママたちが集まってきた。「インファントマッサージクラス」は、マッサージを通じて赤ちゃんと母親が触れ合い、絆を深めることを目的に、フィッツジェラルド・直子さんが2012年に始めた。
一人一人の自己紹介の後、赤ちゃんを床に寝かせ、手遊び歌「ラララぞうきん」に合わせてマッサージが始まった。「ラララぞうきんを縫いましょう、チクチクチクチク♪」と歌いながら、赤ちゃんの体を人差し指でつんつんしたり、「ラララぞうきんを絞りましょう、ギュッギュッギュー」と言いながら足を持って腰をくねらせたりするママたち。
赤ちゃんの体に触れて遊んでいるうちに、「あー、笑ってる」とママの顔もほころんできた。「毎日やってあげていたら、まねをしてお母さんにマッサージしてくれるようになりますよ」と直子さん。
今度はオイルを塗って、指や太もも、ふくらはぎ、足首と優しくマッサージしていく。「アイ・ラブ・ユーのストローク(優しくなでること)の時は、赤ちゃんの目を見て言ってあげてください」と直子さんはアドバイス。気持ちよくなった赤ちゃんたちは、眠そうな表情ですっかりリラックスしている。
マッサージ終了後のケーキとお茶でのティータイムは、悩めるママたちの相談会でもある。「予防接種について聞きたいんですが」と早速質問が飛ぶ。「ねんねトレーニングについて」、「ベビーシッターの見つけ方」から夫婦関係まで、テーマは尽きない。
恵舞ちゃん(5カ月)を連れて参加2回目の中田加奈さんは「赤ちゃんにもいろんな人の顔を見せた方がいいと思って参加しました。娘は少し便秘気味だったんですが、おなかのマッサージをしてあげたらウンチが1日に2回出るようになりました。直子先生は経験豊かでいろいろな情報がもらえるので安心できます」と子育てを楽しんでいる。
ブルックリンから来た、るりちゃん(3カ月)とママ小浪良子さんは「マッサージは免疫力を高めるなど、メリットが多いそうですが、参加した一番の理由は親子の絆が深まることです。お風呂の前にマッサージをしてあげると、ニヤニヤしているんですよ」とうれしそう。
昨年当地に移住してきた徳本愛衣さんは、娘の悠芽(ゆめ)ちゃん(10カ月)を連れて参加。「日本でフェイスブックから予約を入れて、こっちに到着した翌週には参加していました。自宅でマッサージを実践していますが、赤ちゃんに触ると私も気持ちいいので、いいコミュニケーションになります。ここで他のママから情報をもらっています」と積極的だ。
「皆さん話が尽きないようで、この後いつもみんなでランチに行くんですよ」と直子さんは笑っていた。
Infant Massage
月3回、不定期でユニオンスクエアの直子さん宅で開催。対象は生後2カ月から1歳前後の乳児を持つ親。夫婦、きょうだい連れでの参加も可。日程などの詳細はフェイスブックを参照。
【問い合わせ】
nymamasalon@gmail.com
Facebook: mamasalon