JR早川駅に観光案内所 小田原市が週末の誘客に対応

 神奈川県小田原市は、インバウンド(訪日観光客)増加に対応するため、今年秋にJR早川駅前(同市早川)に週末対応の早川臨時観光案内所を設置する。現在整備中の市民ホール(同市本町)にも観光交流センターの機能を持たせた施設を設け、利便性を図る。また、箱根町と連携し外国人来訪者への「おもてなし」事業を後押しするなど、体験型コンテンツを充実させる。

 早川の案内所は、小田原漁港交流促進施設の今秋開業に合わせて10月に開設予定。今春で閉所となる同駅前の早川支所を整備・利活用する。観光客の多い土日・祝日に営業する予定で、案内のほかレンタサイクルの拠点とする狙いだ。

 2021年春の完成を目指し市民ホールに併設するのは鉄骨2階建ての「回遊促進施設」。小田原城正規登城ルートの玄関口となる馬出門の目前という立地条件を生かし、レンタサイクルの拠点とするほか、気軽に立ち寄ることができ、カフェや休憩場所、市のアンテナショップとしても期待されている。

 市は早川の案内所の開設事業費や回遊促進施設の設計業務を委託する観光案内所運営事業として19年度当初予算案に1325万円を計上した。

 一方、インバウンドに対しては、「おもてなし事業」として7800万円を計上。昨年9月に先行し補正予算で1200万円を計上しており、新年度予算案で本腰を入れる。

 インバウンドの誘客や消費を本格的に促進するのが狙い。市観光協会や箱根町とも連携し、茶席や能公演など伝統・生活文化などの体験型コンテンツを充実させ、地魚や農産物の商品開発を進めるなど、「地域で稼ぐ力」を強化する。また、ラグビーワールドカップ(W杯)大会に向け、小田原を事前キャンプ地とするオーストラリアの報道関係者向けプレスツアーの開催など、地域のPRを強化する。

JR早川駅=小田原市

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