「うっ動けない・・・」登山翌日にこうならないための筋肉痛ケア方法! 筋肉痛は、登山の楽しかった思い出も台無しにしてしまうイヤな痛み。登山の翌日、筋肉痛になって「うっ、動けない」という経験した方は少なくないでしょう。筋肉痛は普段使っていない筋肉が運動によって負傷し、修復されるときに起こる痛み。とても厄介な筋肉痛ですが、下山後に適切なケアをすれば予防・対策をすることが可能です。そこで今回は、登山後の筋肉痛ケアについてミウラ・ドルフィンズの安藤 真由子さんに教えてもらいました。

楽しい思い出を”無”にする痛み

普段の運動不足がたたって、朝起きた時に「うっ、動けない…」という経験をしたことはありませんか?筋肉痛は、楽しかった登山の思い出に水を差すイヤ~なもの。
どうにか筋肉痛にならないようにしたいですよね。

どうして筋肉痛になるの

筋肉痛の原因は、100%特定されているわけではありません。ですが一般的に運動をした時などに筋肉が痛み、それを修復しようとする時におこる炎症の痛みと言われています。
登山では長い登りや段差を降りる時の衝撃などで、思っているよりも下半身の筋肉を中心に酷使しているので、普段運動をしていないと次の日に「体が痛い・・・」なんてことになるんです。

日頃から筋トレやストレッチをしておくことが、筋肉痛に予防には大切。しかし毎日コツコツトレーニングをするのはちょっと・・・、という人も多いはず。なので今回は、「下山後にできる筋肉痛ケア」について見ていきます。少しでも次の日を快適に過ごすために、ぜひ登山後に取り入れてみてください!

【1】下山後のお風呂でリラックス

下山後の楽しみといえば温泉やお風呂。汗を流すだけでなく、筋肉痛予防にも重要なんです。

患部が熱を持っていたら、まずは冷やそう!

脚などの患部に痛みや熱がある場合、まずは冷やすこと(アイシング)が大切。アイシングで筋肉をクールダウンさせることで、炎症を抑えるたり、痛みを和らげたりすることができます。水と氷を入れた氷のうなどで冷やす場合、10分~15分程度を目安にしましょう。時間に関わらず、感覚がなくなってきたらアイシングは中断してください。

下山後の温泉や銭湯であれば水風呂で、冷水浴ができる場所も。冷水浴は、凍傷になる危険が低いのでおすすめです。疲れが溜まっている脚から腰までを中心に入浴しましょう。
水風呂が苦手な方は、シャワーやかけ湯で少しずつ冷やすのがおすすめです。

アイシングは炎症を抑える以外にも、疲労の拡大を防ぐなどさまざまな役割があるので、下山後はできるだけアイシングをして体のケアをしましょう。

温めて血流を促そう

患部に熱や痛みを感じない場合やアイシングを終えた後は、ゆっくり温めて血流を促進。ぬるめのお湯や温泉に浸かって血流を良くすることで、損傷した筋肉を回復させるための酸素や栄養を運んでくれます。
運動後すぐではなく、30分ほど横になってから入浴するのがおすすめです。

■温泉ソムリエがおすすめの入浴方法も教えてくれています

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【2】食事で栄養素をしっかり補給

登山の後は、体のエネルギーも不足している状態。疲労回復や筋肉修復のためにも、必要な栄養を補給することを忘れずに。

サプリメントで効率よく

登山後は、できるだけ早く栄養素補給することが大切。ですが、疲れている時に大量の食事を取ることは難しい・・・。
そんな時は飲みやすいサプリメントがおすすめ。スティックに小分けされているものであれば、持ち運びも楽チンです。

■味の素 アミノバイタル

スティックに個包装されているので、登山にも持っていきやすい。アミノ酸は体にスムーズに吸収されるので、登山前、登山中、登山後の栄養補給にピッタリ。

栄養素はバランスよく

体の回復には、バランスのよい食事がかかせません。特に運動後は、以下の栄養素を含む食品を摂取するのがおすすめ。

【タンパク質】魚介類、肉類、大豆、卵、ヨーグルト、チーズなど
筋肉のもとになる栄養素。さらにタンパク質を細かく分解したアミノ酸であれば、体にスムーズに吸収されやすい。
【炭水化物(糖質)】お米、パン、麺類など
体を動かすエネルギー源となる栄養素。不足していると、タンパク質を分解してエネルギーが作り出されるため、修復のためにタンパク質が使われるように補給が必要。
【ビタミンB群】豚肉、鶏肉、豆腐、まぐろ、ほうれん草など
アミノ酸の再合成を手助けするビタミンB6や糖質の働きを助けるビタミンB1、そして脂質の代謝に関わるビタミンB2など

登山で使用され、分解された筋肉の回復のためには、糖質やタンパク質の補給が大切。また、摂取するタイミングはできるだけ早い方が良いとされています。

その他にも抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eなどは、疲労回復に役立つため積極的に摂取したい栄養素です。

水分補給も忘れずに

血中の水分量が減ると血行が悪くなり、栄養素がスムーズに運ばれにくくなります。そのため、下山後は水分補給を忘れないようにしましょう。糖質を含んだスポーツドリンクや、アミノ酸やクエン酸のサプリメントなどを一緒に摂るのもおすすめです。

【3】ストレッチで筋肉をリラックス

筋肉に疲労が蓄積すると血行が悪くなり、酸素や栄養がうまく運ばれなくなります。登山後はストレッチやマッサージをして、血流をよくするようにしましょう!

勢いはつけず、ゆっくりと伸ばす

運動後のストレッチは、勢いをつけずにゆっくりと伸ばしましょう。ゆっくりと筋肉を伸ばして、数十秒間姿勢をキープするようにしましょう。入浴後の体が温まっている時に行うと、筋肉がほぐれやすく、効果が期待できます。

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痛みがある時は控えておこう

マッサージも血行促進に効果があるため、運動後のケアとしておすすめです。マッサージは筋肉の緊張をとるように、優しく行うようにしましょう。ただし、筋肉が熱を持っている場合は、炎症がひどくなる恐れがあるため、マッサージは控えるようにしてください。

下山後の楽しみを少し工夫して、筋肉痛予防を

特別なことをしなくても、下山後の楽しみである温泉や食事でちょっと工夫をするでけで筋肉痛のケアができます。せっかくの楽しい登山の後に苦しまないために、ぜひ次の山の下山後からやってみてください。

また、大事な登山の前に練習登山を行っておくことも大切です。登山を計画したら、1週間前くらいに軽めの登山で下りの動作などを行い、体を慣らしておきましょう。

監修/ミウラ・ドルフィンズ 安藤 真由子氏

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