ミッション発動
とある昼下がり鳴り響く一本の電話‥‥
編集部I
お疲れ様でぃす。メール見て頂けましたかー?
釣り好き!まっちゃん
お疲れ様でぃす。メールまだ見てないっす。ん?この件名が『24』ってやつですか?
編集部I
そうですそうです! 添付ファイルをご確認下さい。
今回のミッションは?
編集部I
冬といえばライトゲーム。ということで、ミッションです。
釣り好き!まっちゃん
でたー! もう恒例になってきたのであまり驚かなくなりましたよ。(慣れって怖いな‥‥)
編集部I
今から24時間以内にアジ・メバルを釣ってきてください。
釣り好き!まっちゃん
人気海外ドラマか!(笑)
編集部I
ただし、フロートリグを使用してください。流行ってるぽいので。
釣り好き!まっちゃん
今回はボーナスステージですね(笑)
編集部I
ただし、フロート本体は自作でお願いします。
釣り好き!まっちゃん
え?
フロートの材料を選定
悩んだ結果、先日お風呂で長男くんが遊んでいた“あるアイテム”を使うことにしました。
「ちょっと貸して?」とお願いすると「新しいの2個買ってね!」と怒っていましたが200円を渡すと笑顔に。(現金なヤツめ)
そのアイテムとは一体……。
スーパーボール
今回のメイン材料はピョンピョン弾んで、子供も大好きなスーパーボールに決定!
ゴム製であるスーパーボールは水に浮かぶ性質を持っています。この浮力を利用して、軽量ジグヘッドの飛距離をサポートするフロートを自作したいと思います。
スーパーボールの頭文字をとってSBフロートと命名しました。
ゼムクリップ
あくまで自作がミッションの条件。
パソコン周りを物色していると、書類整理で役に立つゼムクリップが目に留まりました。
スーパーボール+ゼムクリップを組み合わせ、フロートを自作します。
工作時間わずか1分!?
スーパーボールとクリップと超シンプルな材料。
工具は使わず、フィッシングプライヤーだけで作成を行います。
クリップを加工する
クリップを雨傘の持ち手ような形に加工します。
このとき、持ち手から伸びるストレートの部分は極力真っ直ぐして下さい。
アイ部分を作る
真っ直ぐ伸ばしたクリップを、スーパーボールの中心軸に差し込み貫通させましょう。
この持ち手部分はラインを結束するアイになりますよ。
【注意点】
クリップが曲がっていると、横方向に力が加わりスーパーボールが割れてしまう場合がありますので、十分注意してください。
終線を曲げてカット
貫通したクリップをL字に曲げれば、抜け防止の役割を果たしてくれます。
余分なクリップをカットすれば、あっという間にSBフロートの出来上がりです。
完成
工具もほとんど使わず、一つ当たり1分以内で完成させることが出来ました。
眺めていると、釣りに行きたくてソワソワしてきますね(笑)
スペック
フロートを使用する上で把握しておくべきは自重と浮力です。
果たしてスーパーボールで作ったフロートは、役目を果たせるスペックなのでしょうか? 計測してみましょう。
自重
測ってみると、大きい方が12グラム。小さい方が4グラムと市販品で販売されている範囲内の自重となりました。
12グラムはとにかく飛距離を稼ぎたい時、4グラムは程よく飛ばして感度を重視したい時と使い分けると良いかも知れませんね。
浮力
アイ部分にジグヘッドを装着し、何グラムで沈下するかをチェックしてみました。
結果12グラムの浮力は1.5グラムと高浮力であり、ジグヘッドの負荷次第で自由自在のアプローチが可能ではないかと想像を膨らませます。
またプチ遠投が可能な4グラムの残浮力は0.3グラムと、ほとんど浮力がなくドリフトなど潮と同調させる釣りに向いてそうです。
SBフロートで実釣
材料探し~作成~スペック計測を行いましたが、リミットまで時間はまだまだあり余裕の状態。
しかし油断は禁物と準備を済ませ、夕まずめを狙い早めに現場へ向かいます。
防波堤に到着し、先行者の方に話を伺うと「さっきまでイルカがめちゃくちゃボイルしていましたよ~」といきなり不吉なニュースが。
不安を抱えつつ、実釣スタートです。
操作性
まずは操作性をチェックしてみました。
遠投先で軽量ジグヘッドを扱うというフロートとしての役目はしっかり果たしており、市販品と変わらぬ実用性。
欲を言えば丸型よりラグビーボールのような長型のほうがキャスト時の空気抵抗を抑えられ、より操作性の高いフロートになるのではないかと感じました。
レンジやジグヘッドの重さを変えつつテストしていると、ボトムで“ゴツン”としたアタリ!
何度も続く暴力的な引きにエステル0.3号で耐え、ラインブレイクしないよう丁寧に浮かせようとしましたが全く浮いてくる気配がなく痛恨のバラシ。
10分ほど放心状態に陥りましたが、気持ちを切り替えて頑張ります。
本命登場
防波堤の先端では餌釣り師の方がコマセを撒いていたので、潮流とコマセパターンを意識します。
4グラムのSBフロートに0.5グラムのジグヘッドを装着。“潮に乗せるように”ドリフトさせると、アジ特有の吸込みアタリが!
フッキングが決まり、上がってきたは20センチ程のアジ氏。
あとはメバルたんのみ。これは余裕なのでは?
その後も同じパターンでメバルたんを追加。
ジグヘッドを重くして中層を探るとメバル君出現と大型の個体は出なかったものの、ライトゲームの楽しさを堪能することが出来ました。
強度も問題なし
スーパーボールにクリップを挿しただけのシンプル構造でしたので、耐久性を懸念していました。
しかし心配とは裏腹に、キャスト程度の負荷ではアイ部分の変形や抜けは一切見られず、耐久性の高さが覗えました。
コスパ最強SBフロート
SBフロートを1個作成するにあたり、掛かった費用は約15円とお小遣い制の私にとっては最高のコストパフォーマンス。
また構造自体がシンプルなので、個体性能差も少なく実用性の高さを体感しました。
スーパーボールを見かけた際は、是非SBフロートにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
自作の仕掛けで釣り上げるターゲットはサイズに関係なく、思い出の一魚になりますよ。
文・撮影/釣り好き!まっちゃん