通算83勝の右腕・フィスターが現役引退を決断

2010年代前半にタイガースの強力ローテーションの一角を担った先発右腕、ダグ・フィスターが現役引退を決断したことが明らかになった。代理人のページ・オドルによると、今月35歳になったフィスターのもとには複数の球団からメジャー契約のオファーが届いていたようだが、フィスターは妻アシュリーと2人の幼い娘と過ごす時間を優先することを望んだという。安定した制球力を武器に「計算できる先発投手」として通算83勝をマークした右腕にとって、レンジャーズでわずか1勝に終わった昨季が現役ラストイヤーとなった。

オドルは電話会見のなかで「彼は数ヶ月間、現役引退について熟考していた。決断の最大の理由は、彼が人生の新たなチャプターをスタートしたいと思っていたことだ。今回の決断は100%、家族のためのものだ。彼は夫ないし父親として家族と時間を過ごせることを本当に楽しみにしている。彼は本当に家族を大切にする男なんだよ」と語り、フィスターが現役引退を決断するに至った理由を明らかにした。

タイガース時代にはジャスティン・バーランダー(現アストロズ)、マックス・シャーザー(現ナショナルズ)とともに強力ローテーションを形成し、チームの4年連続地区優勝に貢献。タイガース時代の3度のポストシーズンでは、2011年の地区シリーズ第5戦に敵地ヤンキー・スタジアムで白星を挙げるなど、8試合で3勝2敗、防御率2.98をマークした。

唯一のワールドシリーズでの登板となったのは、ジャイアンツと対戦した2012年。ジャイアンツの本拠地であるサンフランシスコは、フィスターの故郷であるマーセドから130マイルほどしか離れていない。ワールドシリーズ第2戦の2回、フィスターはグレガー・ブランコの打球を頭に受けたものの、6回4安打1失点という気迫のピッチングを見せた。

2年後の地区シリーズ第3戦では、ナショナルズの一員として再びサンフランシスコのマウンドに上がり、7回無失点の快投。この年のポストシーズンでは、ジャイアンツの左腕エース、マディソン・バムガーナーが大活躍を見せたが、唯一バムガーナーに投げ勝ったのがフィスターだった。

フィスターは2009年にマリナーズでデビューし、タイガース、ナショナルズのほか、アストロズ、レッドソックス、レンジャーズでもプレイ。通算242試合に登板して83勝92敗、防御率3.72をマークした。

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