イニエスタに香川の同僚も!「現代サッカー界における6つの必殺技」

欧州サッカーが佳境を迎えつつある一方、Jリーグは2019年シーズンの開幕が近づいてきた。

そうした中、『ESPN』では「現代サッカー界における最高の“必殺技”」を特集していたぞ!

海外の日本代表最新情報、Jリーグ超ゴールはこちら

イニエスタの“クロケット”(動画2分28秒~)

チャビとイニエスタ時代におけるスペイン代表とバルセロナの成功はパスによる部分が大きかった。

だが、チャビが生粋のパッサーだったのに対し、イニエスタは趣が異なる。緩急、素早いターン、そして、何よりもラ・クロケット(ダブルタッチ)だ。

アイドルだったミケール・ラウドルップから“拝借”したその動きは理論的には単純。だが、ハイスピードかつ超フィジカルな中盤の戦いにおいて、見るのに美しいものである。

開祖ラウドルップは「クロケットは見栄えがいいから存在するスキルではなく、次のパスにつなげることを目的とするものだ」と語っている。

ゴールスコアラーではなく目的をもったパッサーであるイニエスタにとっては完璧なスキルだ。

リヤド・マフレズのフェイク(フェイント)

レスターが奇跡の優勝を成し遂げた2015-16シーズンのプレミアリーグで驚異的パフォーマンスを披露したマフレズ。

2015年12月に行われたチェルシー戦では重要なゴールを決め、2-1の勝利に貢献している。

セサル・アスピリクエタと対峙したマフレズは軽やかな動きでシュートを打つためのスペースを自ら作り出してネットを揺らした(動画41秒~)。

一般的に彼はカットインしてシュートを打つだけのウィンガーとしてカテゴライズされている。

だが、縦に行く前にこのフェイントで相手SBをはがす傾向も持つ。そして、そのフェイクにはいくらかのバリエーションがある。

DFたちは何が起きているのかを理解しているものの、そのフェイントに引っ掛かることから逃れられない。

リカルド・クアレズマの“Trivela(アウトサイドキック)”

ともにスポルティング・リスボンのアカデミーで育ったクアレズマとクリスティアーノ・ロナウド。

2人はウィンガーであり、高い個人技を持ち、そのトリッキーさでお互いを上回ろうとする傾向を持つ。

キャリア的にはロナウドのほうがより成功したのは明らかだ。彼はそのスキルをテクニックよりもフィニッシュへと昇華させた。

一方、クアレズマは美しさに固執したままだった。アウトサイドキックを使うことに関しては、どの選手よりも断固としている。

このテクニックは派手だと思われたり、弱足が使えない選手の証だと思われたりすることもある。

だが、クアレズマの場合はインサイドキック以上にアウトサイドのほうが脅威であり、トレードマークであるTrivelaで記憶に残るゴールを決めてきた。2007年のベルギー戦で決めた代表初ゴールは最もスペクタルな一撃だ。

昨夏のワールドカップ対イラン戦でもアウトサイドでゴールを陥れた。彼はフットボール界でほとんど唯一無二の存在である。

メスト・エジルの“叩きつけるシュート”

相当なテクニックレベルを持つ攻撃的MFであるエジルだが、得点数はそれほど多くない。それでも彼は独自のフィニッシュを持っている。

意表を突くバウントでネットを揺らすため、シュートの際にボールをピッチに叩きつけて、相手GKを驚かせるのが大好きなのだ。

これは比較的シンプルなテクニックであるボレーで行われることもある。だが、エジルはボールの叩きつけ方も熟知。GKの頭上から落とすのではなく、グラウンドに叩きつけてから、GKの上を通すのだ。

当初エジルがこれをやった際にはまぐれかと思われたが、練習場の映像から定期的に練習していた動きだったことが判明。試合で大きな効果をもたらすためにこれを使ってきた。

無論エジルはエジルだ。このトリックスキルをアシストのためにも使っている。

セルヒオ・ブスケツの“偽装パス”

バルサのレギュラーになった当初、彼はシンプルな配球をし続けるマジメな守備的MFとして知られていた。

だが、そのプレーを見れば見るほど、その鋭い配球ぶりが評価されるようになってきた。

劇的なダイアゴナルパスを通すことは滅多にないが、その代わりにパスを“偽装”することで相手のラインを切り裂いてきた。

ブスケツはキャリアを通して、同じことを繰り返しやってきている。

中盤の深い位置でボールを受けると、右を見てオーバーラップした右SBにパスを出すように体を開きつつ、反転して中央のアタッカーの足元にパスを届けるのだ。

ブスケツの美しい動きによって、DFたちは重心の逆を突かれる。そして、パスの受け手を潰しにかかる前に一瞬何が起きたのか分からなくなるのだ。

トニ・クロースのシャッフル

クロースのボールコントロールを理解するには長い時間をかけて彼を見る必要がある。

一見すると、タッチが大きいように思えるが、そうではないのだ。クロースがそれをやればやるほど、それが意図的な策略だということが分かってくる。

クロースのシャッフルとはファーストタッチを含めたドリブルであり、相手を不意打ちするものだ。

彼は左からボールを受けた際、右足にボールを置き、インサイドで大きなタッチをして、すぐにボールを左に押し出す。クロースの右足を封じようとしがちな相手選手は、誤った方向に導かれることになる。左足も問題なく使えるクロースだが、この動きによって再び右足にボールを戻す時間を確保するのだ。

いずれにしろ、ポゼッション時において考える時間をより得ることができるシンプルかつ効果的な動きだ。

© 株式会社ファッションニュース通信社