GGアリンのお母さんにまさかの大感動! 『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』の公開にあたり、サミ・サイフ監督のインタビューとGGアリンの兄であるマール・アリンのコメントが到着!

2月23日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー、シネマート心斎橋、名古屋シネマテークほかにて全国順次公開の映画『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』。

本作の日本公開にあたり、監督を務めたサミ・サイフのインタビュー、またGGアリンの兄であるマール・アリンのコメントが到着した(写真は左から監督のサミ・サイフ、アリータ、マール)。

サミ・サイフ監督 インタビュー

夢のプロジェクトはAC/DCのドキュメンタリー!

──あなたの映画『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』はとても感動的な映画でした。題材がGGアリンなので観る前はそのように構えていたのですが、鑑賞前と鑑賞後のギャップが凄いです。本作を作るきっかけなどを教えていただけますか。

サミ:私はデンマークの小さな田舎町出身です。子どもの頃は音楽はヒップホップを聴いていて、またアメリカからのブレイクダンスものや、ユースカルチャーについてのテレビ番組などをVHSでよく見ていました。これらのVHSの中の一本にGGアリンが登場し、こんなものは見たことがなく、当時衝撃を受けました。そして大人になってからGGアリンにこんなに強く、賢く、美しい母親がいたという事実を知った時は驚愕しました。まさに超現実的な感じです。その瞬間からすぐに映画を作りたい、作らなければならないと考えました。この世のものとは思えない、狂ったパンク・ロッカーと、とても穏やかで信仰深い母親、このコンビネーションにすぐ心を奪われ、無視することはできなくなりました。母親のアリータに直接会った瞬間、私は夢中になりました。ですので、あなたの言う、鑑賞前と鑑賞後のギャップという感覚は私も同様に経験したのです。そしていい映画というのは我々を驚かせてくれるものだと信じています。

──撮影前と後で、GGの家族やGGについて、あなた自身にとっての新しい発見はありましたか。

サミ:彼らがあんなに優しく素晴らしい人たちだったことに驚きました。また、アリータが説明するような、GGがあんなにかわいい息子だったなんて誰が想像できるでしょうか? まぁ、最も厳しくヤバい人は、同時に最もソフトな人でもある、ということでしょうか。

──アリータとマールは作品を観たのでしょうか。

サミ:編集が終わり、マールとはホテルの部屋で一緒に観ました。映画の初めはマールは静かでしたが、進むにつれて笑うようになり、エンディングでは鼻をすすって目をこすっていました。愛する弟が甦ったかのように思って感極まったのでしょう。このように試写は成功し、マールはアリータに電話して「作品は素晴らしい」と伝えてくれました。アリータはもともとGGの破天荒な行ないの一部が映画に挿入されることを知っていたので作品は観たくないと言っていましたが、マールの報告にはとても喜んでいました。でも彼女は今でも作品は観ていない。

──どんな映画が好きですか。また好きな音楽は何ですか。

サミ:私が好きなドキュメンタリー映画は、クリス・スミス監督の『素晴らしき映画野郎たち』(1999年)、ステファン・ヤール監督のモッズ三部作『Dom Kallar oss mods(人は私と合わないと言う)』(1968年)、『Ett Anständigt liv(上品な生活)』(1979年)、『Det Sociala arvet(社会契約)』(1993年)、ヤン・トロエル監督の『理想の国』(1988年)などです。また音楽は基本的にはヘヴィ・メタルが好きです。マノウォーとか。他にはボブ・ディランやキャメルも好きです。

──将来的にやってみたい夢のプロジェクトは何でしょうか。

サミ:何とかしていつかAC/DCのドキュメンタリー映画を作ってみたいです。バンドがもうツアーしなくなった今、誰かがAC/DCの映画を作るべきだと思います。

──最後にメッセージをお願いします。

サミ:日本の皆さま、私はこの作品が日本で公開されることをとても光栄に思います。皆さんが楽しんでくれることを願っております。

マール・アリンからのコメント

「監督のサミ・サイフと私はこのドキュメンタリー映画が可能な限り最高のものとなるよう共に頑張りました。結果についてはとても満足しているし、誇りに思います。監督は私たち、母親と自分の、弟GGアリンに対する想いをちゃんととらえてくれました。今まで観てくれた人々からは素晴らしい感想以外聞いたことはありません。ぜひご覧ください」

本作はGGアリンのバンド〈THE MURDER JUNKIES〉のメンバーであった兄のマール・アリンがGGの遺志を受け継ぎ、音楽活動や汚物アートに勤しむ様子と、どんなに狂っていても温かい眼差しで子どもたちを支える母親アリータの、一家がたくましく強く生きる模様を描いた感動のドキュメンタリー。

GGアリンという無類のキャラクターゆえに、過激な方向にスポットが当たりがちだが、〈家族の物語〉という主題をブレることなく、誠実かつ優しいトーンで描き、珠玉の記録映画が完成した。海外の映画祭でも予想外の感動に絶賛評が相次いでいる。

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