【MLB】菊池雄星、短縮メジャーキャンプで得た収穫は? 「試行錯誤を繰り返して」

マリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】

全体練習後に首脳陣から許可されているキャッチボールを行った菊池

 西武からポスティングシステム(入札制度)でマリナーズに移籍した菊池雄星投手は14日(日本時間15日)、キャッチボールやダッシュなどの軽めの調整で終えた。全体練習後には座らせた相手に約50球を投げ、13日の初ブルペンで課題としたスライダーの握りを変えるなど、意欲的な取り組みを見せた。

 仰ぐ空は灰色一色。午後から悪天候となる予報を受けて、練習は約1時間前倒しの午前10時開始。メニューも一部変更され、全体練習は40分ほどで終了となった。

 最後のメニュー、外野でのダッシュを終えると菊池は首脳陣から許可されているキャッチボールを開始。その後、相手役となった通訳を座らせて約50球。力の入れ過ぎにも目を光らせるコーチングスタッフの一人が傍らで見つめる中、13日のブルペン後に課題に挙げたスライダーの修正に取り組んだ。

 指をかける縫い目が「低いと感じる」米国のボールに対応するため、初の試みを敢行。

「握りをちょっとずらして工夫して投げてます。スピンが弱かったので、スピンを少しかけられるような握りを今、探しているところです。日本ではほとんど握りを変えるということはやってないですね。ずっと同じ握りでやってました。そういう意味では久しぶりの感覚です」

約12分、48球を投げ落差と軌道の違うチェンジアップにも取り組んだ

 もっとも極端な修正は時としてマイナスにも働く危険性があり、「微調整の方がいいですね」と慎重さを忘れない菊池。直球とのコンビネーションで投球の7割を占める欠かせない球種の改良作業について、こう見解を示す。

「トライアンドエラー(試行錯誤)を繰り返してやっていくしかないと思うので。必要な工程かなとは思いますけど」

 小雨が落ちる芝の上で続けた平地投球で約12分、48球を投げ、落差と軌道の違うチェンジアップにも取り組んだ。

「今日のテーマはスライダーだった。昨日よりもいい感覚がつかめました。チェンジアップも何球か投げましたけど、やっぱりまだまだ自分のものにできてないので、そこはいろんな人に聞きながらアドバイスをもらいながらやってます」

 投球過多はご法度。キャッチボールや軽めの投球でブルペンの不足分を補うのが米国流。キャンプ3日目の短い練習で菊池はまた一つ収穫を得た。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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