観走記

 チームの危機に立ち上がり、自分とほぼ同年代の47歳が一般区間を走る姿に胸を打たれた。島原半島の林田二浩選手兼監督(南高愛隣会)。レース前日に体調不良で欠場となった主力大学生の代わりとして、第1日10区に出走。区間11位だったものの、アップダウンの激しい12.3キロを走りきった。
 高校時代は陸上部。いったん離れたものの、30歳からまた走り始めた。この大会には36歳で初出場して11回目。毎日トレーニングを欠かさず、今回も竹村一総監督(大平食品)に頼まれて「どの区間でも走る」と答えたという。
 いざというとき、頼りになるのはベテランの力。入社26年目の自分もそうありたいと願うが、大事な県下一周駅伝の出発前、スマホを忘れて自宅へ取りに帰るようでは、その道は険しそうだ。

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