10位争いも“白熱” 壱岐、平戸

 上位争いが激しくなる中、壱岐、平戸の10位争いも熱を帯びている。2007年から昨年まで12年間、両チームで10位、最下位を分け合ってきた。過疎化による人口減少で互いにチーム編成も苦しい現状だが、郷土の誇りを懸け「負けたくない」と火花を散らす。
 両チームの争いは、ここ12年間で平戸の7勝5敗。10年から5年連続で平戸が10位になったが、ここ4年は壱岐が3勝1敗と盛り返している。
 平戸は慢性的にメンバー不足。今年も市消防署、消防本部に協力を依頼して、監督を含めて7人にエントリーしてもらった。57歳の末吉範(県警)らベテランがチームの支え。37歳の栁本(平戸市消防署)はこの日の出走後に「壱岐がいい目標になっている」と息を整えながら話した。
 壱岐は市民ランナーが主体。この大会に向けては昨年4月から毎週、合同練習会を開いてきた。昨年は躍進賞を取り、小学生男女総合で3連覇を達成するなど勢いづく。42歳の戎谷(県壱岐振興局)は「主要区間を任せられる若手がもっと出てくれば」と待望する。
 今回は第2日を終え、壱岐が累計14分0秒差で平戸をリード。壱岐の岩崎総監督(石田中教)は「とにかく逃げ切りたい」、平戸の小場総監督(ダイコウ建設)は「最終日は女子に元実業団の前川が出るので楽しみ。最後まで諦めず、粘ってほしい」と期待を寄せた。

ラストスパートをかける壱岐の10区戎谷(県壱岐振興局)=大村市
最後まで粘走した平戸の7区栁本(平戸市消防署)=東彼波佐見町

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