「平成の大合併」自治体アンケート 長崎県内11市町「成果あり」 松浦「弊害」、南島原は保留

 「平成の大合併」を経験した長崎県内13市町のうち、合併は住民生活への成果と弊害のどちらが大きかったかという質問に「どちらかといえば」を含め「成果が大きかった」と回答したのは11市町に上った。一方、松浦市は「どちらかといえば弊害が大きかった」と回答。南島原市は判断を保留した。
 成果が大きかった分野を問う質問で、11市町のうち長崎、島原、平戸、五島、西海、雲仙の6市は「財政基盤の強化」を選んだ。五島市は1市5町だった合併前より職員数を減らすことで人件費を削減。長崎市は旧郡部の財政状況が改善し、合併で誕生した自治体を国が支援する「合併特例債」の活用などで市全体の財政が強化されたという。
 佐世保、諫早、壱岐、新上五島の4市町は「広域的な街づくりの進展」を選択。諫早市は旧郡部にコミュニティーセンターや体育館などを建設し、「(財政が弱かった旧町でも)地域に必要な施設を建てられるようになった」としている。佐世保市は旧郡部に工業団地を造成した。「その他」を選択した対馬市は「合併特例債」を活用して道路などの整備を進めたという。
 一方、松浦市は弊害として「住民サービスの低下」と回答。旧町の役場が市役所支所になり権限が弱まったことで、手続きのスピードが落ちたという。南島原市は「成果と弊害の両方があり、判断が難しい」としている。

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